Microsoftは米国時間2021年2月11日、「Windows UI 3 ライブラリー プレビュー4」をリリースした。同社が4日に公開したGitHubのリリースロードマップを確認すると、プレビュー4は安定版に位置する。
Windows UI(以下、WinUI)は、デスクトップアプリおよびUWPアプリのUI(ユーザーインタフェース)を担うライブラリーだ。デスクトップアプリのUIはMFC(Microsoft Foundation Class)やWinForms、WPF(Windows Presentation Foundation)と進化を続けてきたが、UWPアプリの開発を容易にするため、2018年12月に最初のWinUI 2を発表。そしてライブラリーとOSを分離し、デスクトップアプリやUWPアプリ、Xbox OneやMicrosoft HoloLensなど、Windows 10フォームファクタ-のUI体験を強化する存在としてWinUI 3の開発に着手した。
先に紹介したリリースロードマップによれば、WinUI 3は2021年3月からバージョン番号を付与し、名称も開発者プラットフォームの統一と進化を目指すプロジェクト「Reunion」に変更。そして2021年10月にバージョン1.0へ達する。
エンドユーザーがWinUI 3の恩恵を受けるのは、2021年10月以降になるだろう。開発者がWinUIをアプリに組み込むことが必要になるからだ。Reunionの一部となるWinUI、プレビュー4の段階では、Xbox OneやMicrosoft HoloLens、アクリル素材といった一部の機能も未サポートとなっている。
下図は、Visual Studio 16.9 プレビューでビルドした「XAML Controls Gallery」だが、Microsoft Storeから入手できるビルド済みパッケージも、今後はWinUI 3 プレビュー4が有効になるだろう。
正確な時期は不明だが、これまでの過程を踏まえれば、次の機能更新プログラムで有効になるWindows 10 バージョン21H1は2021年5月ごろにリリースされるだろう。つまり、WinUI 3やプロジェクトReunionの恩恵を受けるには、Windows 10 バージョン21H2まで待つことになる。
DevチャネルのWindows 10 Insider Previewを見ていると、現時点ではWSL 2(Windows Subsystem for Linux 2)の改善が目立ち、開発途上にあるWin UI 3の影は見えてこない。一方でMicrosoftは、オープンワールドRPG「Diablo IV」の開発に取り組むBlizzard Entertainmentが、WSLによるLinuxコアダンプのデバッグにWindows 10およびWSLを活用していることを公式ブログで報告している。WinUI 3およびReunionに関しては、2021年夏のBuildや同年秋のIgniteで何らかの情報が明らかになるだろう。