NHKで3月29日、特集ドラマ『いないかもしれない』(総合 22:45~23:15)を放送。三浦透子、清水くるみ、戸塚純貴、杉野遥亮、あやかんぬが出演する。

  • 杉野遥亮 (C)斎藤大嗣

よるドラ『伝説のお母さん』やFMシアター「巣ごもりな人々『ここから見える車』」を手掛けた劇作家・大池容子氏とともに開発したオリジナル脚本をドラマ化した本作。

舞台は高校の同窓会。久しぶりの再会に盛り上がっているかのように見えた男女の中には、見知らぬ女が混じっていた。謎の女の存在にざわつく元同級生たちは、チャットアプリを開き会議を始める。思い出話に完全に溶け込む女の正体は一体…? 忘れただけの知り合い? それとも…? 彼らが隠していた高校時代の“黒歴史”が掘り返されていく。

カフェバーというリアルな空間で繰り広げられるやりとりと、複数同時に繰り広げられるSNS上の仮想世界でのやりとりを映像化。ワンシチュエーションで、ワンシチュエーションでない新感覚のドラマとなっている。

カフェバーODAZY(オダジィ)では、高校の同窓会の二次会が行われている。同級生の明美と涼子、吉岡、小田島は、その場に見ず知らずの女が平然と同席していることに内心ざわついていた。会話を続けながらもSNS上のグループトークで女の正体について会議をするも、謎は深まるばかり…。やがて女は卒業して6年が経った高校時代の明美と涼子の黒歴史を話し始める。

明美と涼子は高校時代、スクールカーストの下位に位置し、クラスのアイドル“由美ちゃん”を疎んでいた。2人は“由美ちゃん”の個人アカウントの「なりすまし」を行い、ありもしない誹謗中傷を繰り返す。他愛もないいたずらから“由美ちゃん”は心を病み、不登校、そして由美ちゃんは姿を消した・・・。

果たして謎の女の正体は? 由美ちゃんの双子の妹? 由美ちゃん本人? 疑心暗鬼が蔓延する中、“親友”だったはずの明美と涼子が互いを罵り始める…。“いまはなき”由美ちゃんの復讐がはじまる。

片桐涼子役を三浦透子、原田明美役を清水くるみ、小田島祐介役を戸塚純貴、吉岡宏役を杉野遥亮、謎の女役をあやかんぬが演じる。

脚本の大池氏は「今になって学生時代を振り返ると、楽しかったことだけではなく、記憶から消し去りたいような恥ずかしい思い出や、誰かを傷つけてしまった苦い記憶が蘇ることがあります。『いないかもしれない』は高校の同窓会に謎の女が現れ、忘れたいと思っていた苦い記憶がデジタルの世界を通して日常に侵食してくるお話です。過去に翻弄される登場人物たちの滑稽さが、愛おしく見える瞬間があればいいなと思っています。お楽しみいただければ幸いです」とコメントを寄せた。

なお、当初は3月20日放送予定だったが、2月13日に起きた福島県沖を震源とする地震の影響で、3月29日に変更となった。