新型コロナウイルス感染予防のため、公共交通機関と比べて不特定多数の人と接することなく移動できる「車」の利用が増えている現在、喫煙者の行動や考え方はどう変化しているのだろうか。マイナビニュースでは、このほど、2,431人へ「車内での喫煙実態調査」のアンケートを実施、うち現在喫煙をしている2,210名の回答を元に実態を見ていこう。
コロナ禍で車の利用意向は増加、利用目的は「プライベート」が圧倒的
まず、喫煙者2,210名のうち、車を利用する方1,941名に「コロナ禍で、移動するときに車を利用したいと思うようになったか」を尋ねた。「はい」が72.6%と、「いいえ」(27.4%)を40ポイント以上上回りる結果に。また、実際に車を利用する頻度が増えたかという問いに対しては、54.6%が「増えた」と回答している。
電車やバスといった公共交通機関では、どうしても不特定多数の方と近い距離で接してしまう。一方、車はプライベートな空間を保ったまま移動できるため、コロナ禍のなかでは比較的安心できる場所だと言える。実際にアンケートの結果でも、その意識は色濃く出たことが分かる。
また、どのようなときに車を利用するか尋ねたところ、「プライベートの移動手段」(84.4%)が最も多かった。次いで「通勤手段として」(43.5%)、「業務で利用する」(23.4%)となっている。プライベートで使うという回答が圧倒的に多いが、通勤や業務中に使用するなど、仕事にまつわることで利用する人も約7割を占めた。
車中で喫煙する人の割合は?
では、次に車中で喫煙しているかを尋ねよう。当アンケートの回答者は全員喫煙者だが、半数以上の64.2%の方は車中でもたばこを吸っていることがわかる。
一方、「車中でたばこは吸わない」は35.8%。なぜたばこを車の中で吸わないか理由を聞くと、最も多い回答は「ニオイが気になるから」(75.5%)で、「同乗者への配慮」(57.8%)、「ヤニ汚れが気になるから」(49.0%)、「灰が落ちるから」(40.2%)が続く。車中に充満するニオイを気にしたり、同乗者に配慮して、車中では喫煙を控える人が多いことがわかる。
普段は紙巻たばこでも、クルマの中では「加熱式たばこ」派の理由は?
次に、普段、吸っているたばこの種類を聞いた。77.6%が「紙巻たばこ」、22.4%が「加熱式たばこ」で、紙巻たばこ派が加熱式たばこ派よりも3倍以上多い。
では「車中」ではどうだろうか。変わらず紙巻きたばこが半数以上を占めてはいるものの、「車内では加熱式たばこに変える」という方が約12.5%増えている。
普段加熱式たばこを吸っている人はもちろんだが、なぜ車中になると紙巻たばこ派の人もあえて「加熱式たばこ」を選ぶのだろうか。車中で加熱式たばこを使うと回答した方435人に「なぜ加熱式たばこを選んでいるのか」について尋ねてみよう。
回答を見ると、「灰が落ちない」(65.5%)が最も多く、僅差で「ニオイが残らない」(65.3%)と続く。以下、「火を使わず安全だから」(61.1%)、「ヤニ汚れが気になるから」(47.1%)となっている。
加熱式たばこでは、たばこのうまみや味わいはそのままに、紙巻たばこのデメリットである「ニオイ」「灰」などの心配をすることなく喫煙できることが評価されていることがわかる。
こうした加熱式たばこの長所は、人を乗せているときのドライブでもプラスに働くようだ。喫煙者の中には、ニオイを気にしたり、同乗者に配慮してたばこを吸わない人も少なくないが、加熱式たばこユーザーは約65.3%の方が「車中でたばこを吸う場合、同乗者がいても加熱式たばこを吸う」と回答している。
たばこ葉を燃焼させない加熱式たばこは、紙巻たばこのように燃焼に伴う副流煙やニオイが発生しない。もちろん同乗者が同意してくれることは大前提だが、狭い車中でもニオイや煙が充満することがないため、同乗者も快適にドライブできるというメリットもある。
ニューノーマル時代の移動手段として、改めて車が見直されているが、「車には乗りたいしたばこも吸いたい。でもニオイや煙が……」というジレンマを抱える喫煙者にとって、加熱式たばこはひとつの選択肢かもしれない。
調査内容: 車中における喫煙環境についてのアンケート
調査時期: 2020年11月28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 2,431人
調査方法: インターネットログイン式アンケート