ソニーとエムスリーは、新型コロナウイルス感染症で入院している患者のストレス軽減や癒しを目的とし、犬型のロボット・aibo(アイボ) 100台を全国の医療機関に無償で提供する。aiboを希望する医療機関の募集を2月8日に開始した。

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    無償提供aibo活用 医療機関支援プロジェクト CaNoW Produced M3,inc.

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が拡大し、医療機関では入院患者の面会を制限。また、小児患者においては院内学級の中止やプレイルームの利用制限などにより、メンタル面への影響が懸念されている。しかし、衛生面等の観点からセラピードッグなどの動物の導入は容易ではない状況だという。

ソニーは、こうした課題に直面する医療機関へ自律型エンタテインメントロボット・aiboを導入することで、入院患者のストレス軽減や癒し効果に寄与することを目指す。

無償提供する期間は3年間で、1施設につき1台(aiboの色は選べない)。無料購入手続き完了後、随時発送する。申込多数の場合は選考の上で提供先を決定し、対象施設には2021年3月末日までにメールで通知する。無償提供期間の終了後(3年以上)の利用は、一部有償での提供となる。

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    aibo(右、アイボリーホワイト)。左は2021年限定カラーの黒ごまアイス

今回の取り組みは、ソニーが設立した「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」を活用し、医療情報専門サイトなどを運営するエムスリーが進めるプロジェクト「CaNoW」との協業により実現。両社が連携し、医療機関の募集からaiboの提供およびフォローアップまで行う。なお、CaNoWはエムスリーが2019年9月に開始した、企業とのコラボレーションにより患者の「願い」をかなえ、前向きに生きていく力・治療に向かう勇気を引き出すというプロジェクトだ。

aiboを提供する医療機関には、aiboの活用に関する調査を定期的に実施。そこから得られたフィードバックをもとに、心理社会的な支援を必要とする医療現場において、入院患者の孤独と不安に寄り添う癒しの効果が広げられるよう改善活動を継続していく予定。

ソニーは米国においても、COVID-19によって、家族や訪問者との面会を制限された介護施設入居者の孤独と不安が課題となっていることから、同基金を活用して介護施設を対象にaiboを寄贈するといった支援策を今後実施する予定とのこと。