確かに、iPhoneではいろいろな場面に「パスコード」という言葉が登場します。ロック解除のときやスクリーンタイムを設定するときなど、暗証番号として使う数列のことをパスコードと呼びます。
ところが、iPhoneでは「パスワード」も使われます。設定を変更していないかぎり、アプリやWEBサイトで入力した暗証番号は次回以降の入力を助けるためにiCloudキーチェーンに保存しますが、そこでは暗証番号として使う文字列をパスワードと呼びます。
では、パスコードとパスワードはどう違うのか...コード(符号/記号)とワード(言葉/単語)という部分に注目すると、パスコードが数字のみでパスワードが文字が混ざったものと結論付けたくなりますが、iOSの内蔵辞書でパスコードについて調べてみると、「情報システムの認証に用いる数字群」(大辞林)、「a string of characters used as a password」(New Oxford American Dictionary)であり、明確な分類基準はありません。
一方、『設定』アプリの項目名に注目すると、「Face IDとパスコード」がある一方で、「パスワード」も存在します。そして前者はロック解除やApp Storeなどで使用するテンキー入力を前提とした4〜6字と短めのもの、後者はWEBサイトで使用するフルキーボード入力を前提とした6字超が推奨される長めのもの、と役割がわかれています。
この点を踏まえると、パスコードは「数字で構成されテンキーを使いすばやく入力できる文字列」でロック解除などiPhone内で認証処理が行われるもの、パスワードは「文字・数字が混在したフルキーボードで入力する長めの文字列」でWEBサーバなどiPhone外で認証処理が行われるもの、と定義することができそうです。この2つの言葉を的確に使いわけたからといって、なにかメリットがあるわけではありませんが、少しだけ気分がスッキリするかもしれませんよ。