大学卒業後会社に入ることはなく、ずっと1人でイラストレーターとして活動してきました。宝くじには当たった試しがないけど、20年ほど仕事を続けられてきたので運は良かったのだと思います。フリーランスには産休・育休中制度があるわけではなく、仕事をしなければ無収入だと気がついたのは出産直前のこと。長い間仕事をお休みしたり、お断りしたりすることは初めてのことで、不安しかありませんでした。予定帝王切開だったので、ギリギリまで仕事をして出産。生後3ヵ月くらいでタイミングよくお仕事をいただく機会があったので、ゆるーく再開しました。幸い夜はよく寝てくれる子だったので、子どもを寝かしつけてから仕事をしたり、朝方に起きてやってみたりと仕事と育児の両立を模索しながらの仕事復帰となりました。
が、もちろん今まで通りにできるわけがなく、集中力もとぎれとぎれ。産後の記憶力の低下で締め切りを勘違いしてしまったり、指示通りにできなかったり、体力的にもやはりつらい…。久しぶりに手を動かし絵を描くことは楽しいのに、思い通りにいかず。せっかくお声がけいただいたクライアントさんにもご迷惑をかけまくりで猛省ばかり。そしてテンパっているときに限って体調を崩すベビー。今思えば、人生を始めたばかりなんだから、しかたがないよね、と大きな気持ちでいられますが、当時は焦ってばかり。目の前のベビーのことは全てが愛おしく幸せなはずなのに、全てが中途半端で落ち込み、「あれもやりたいのに、これも試したいのに、全然何もできていないっ!」と焦ってばかり。世のママたちはどうやって仕事も育児もスマートにこなしているのか、みんなに聞いて回りたい気分でした。くすぶっている自分にイライラしたり、他の人の活躍をみて落ち込んだりなどなど、毎日の感情の起伏の激しいこと、激しいこと。