アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが2日、NHK土曜ドラマ『六畳間のピアノマン』(2月6日スタート 総合 毎週土曜21:00~ ※全4回)のリモート取材会に出席した。

  • 『六畳間のピアノマン』村沢憲治役を演じる加藤シゲアキ

本作は、安藤祐介氏の『六畳間のピアノマン(改題:逃げ出せなかった君へ)』が原作。ビリー・ジョエルの名曲「ピアノ・マン」を動画投稿サイトで歌う「六畳間のピアノマン」と名乗るひとりの青年の歌声が、周囲の人々の心に灯をともし、やがてお互いの人生が交錯して、気づかぬうちにそっと助け励ましあう。そんなストーリーを、4つの物語で届ける。

加藤が演じるのは第1回の主人公で、ピアノマンこと夏野誠(古舘佑太郎)の元同僚の村沢憲治。パワハラを受けた誠が交通事故で亡くなってから8年、人との関わりを避けるように生きてきた村沢は、派遣先の職場で再びパワハラを目にし、動けなかったかつての自分との葛藤に苦しむ。

加藤は「今こそ放送されるべき内容。人と人との物理的な距離をとらないといけない時代ではありますが、それとは別に心の距離は縮めることができるのではないかと。思いがけないつながりやご縁が巡り巡って自分に帰ってくるような経験はみんな経験したことがあると思いますがつい忘れてしまいがちだと思います。そういったメッセージ性がすごくある物語で、苦悩した人間たちがどう乗り越えて先に進んでいくか、心温まる希望にあふれた物語だなと思います」と本作の魅力を語った。

演じた村沢への共感も「たくさんあった」と言う。「理不尽な目に遭うことは誰しもいくらかはあると思いますが、その中で時に勇気を振り絞って前に進んでいく。村沢も、誰かのためにアクションを起こしているようで、でも本人は自分を変えるために大胆な行動を起こすわけで、そういった村沢の大胆さにはすごく共鳴した」と明かし、「完成した1話を見て、そのあたりは感情移入したし、人とのつながりの大事さ、いかに思いやれるかというのは意識していないと難しいことなんだなと改めて感じました」と語った。

本作では、組織の中で生きる人たちの苦悩や奮闘が描かれているが、加藤は「組織は、作っている人は全員、1人の個人のはずですが、組織という集合体になるとまったく別の顔をしてしまう。そして、なかなか一個人が抗うことができないケースはあると思う。そういう場合に、組織に対して抗っていくことの難しさはもちろんありますし、逃げたほうが勝ちというケースもあるんだろうなと今回思いました」と本作で感じた思いを告白。

「組織を変えようということがまず大前提だと思うけど、村沢のように会社を去るというアクションが、その後の会社をよくしていくこともある。組織に属している人間たちが人間らしさを失わないように意識し続けることができれば、よりよい会社とかになっていくんだろうなと思います」と話した。

そして、「何か変えたかったら行動することが大事なんだなと思います」としみじみ。「僕が作家になったきっかけは、このままじゃどうにもならないと思って事務所の偉い方に直接電話をかけたという、今考えたら怖いですが、そのとき思い切ってやってみたことが、作家の活動につながっていったり。小学6年生のときに中学受験を控えていて、その間にジャニーズ事務所をお休みしていたんですけど、戻るときに直接ジャニーさんに電話をかけてたら『YOU来ちゃいなよ』と言われて改めて活動することになったんです」と自身のエピソードを明かし、「時に大胆なアクションを起こすことでみんなの目が変わることもあるなと思いました」と行動する大切さを熱く語った。

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