昨季22年の現役生活に幕を下ろし、今年から阪神タイガースのスペシャルアシスタントとなった藤川球児氏のYouTube公式チャンネル『藤川球児の真向勝負』に、元プロ野球選手の清原和博氏がゲスト出演した。
動画冒頭、藤川は緊張気味に「野球選手生活からは切っても切り離せない恩師」と紹介し、清原を出迎える。自身の引退セレモニーへメッセージを依頼したほど特別な存在である清原を目の前に「こんな日を迎えられたことに感動している」と感慨深げな表情を浮かべた。
清原は藤川が引退する際「魂と魂がぶつかった投手がいなくなるな」と寂しい気持ちになったというが、初めて認識したのは2005年4月21日の巨人対阪神戦。2対10で迎えた7回、2死満塁で打席に立った清原が、フォークで三振を奪った藤川に激昂した因縁の試合は、野球ファンの間で「東京ドーム事件」と呼ばれている。
清原は「絶対ストレートで来る場面でフォークで来たから、何で首振ってストレート投げないのかなって。これだけ真っ直ぐに投げられるのに」と“勝負”してこなかったことを改めて振り返った。
対して藤川は「組織に飲まれてた自分がいるんですよ。自分という野球選手を輝かせるためではなく、阪神タイガースの教育で『チームのためにやりなさい』っていう」と当時を回顧し、「でもこれをきっかけに『自分がどうあるべきか』を考えるようになり、矢野監督もそこから『ピッチャーをどう輝かせるか』を考えるようになって、チームに一気に火がついた」と、自分だけではなく、当時キャッチャーを務めていた矢野燿大監督やチームにも影響を与えたきっかけとなったことを語る。
合わせて「僕はアメリカに行って、個の意識が弱すぎて飲まれてしまった。会社員っぽくなってた」とメジャーでの苦い思い出も吐露した。
そのほか動画では、再戦となった2006年サンマリンスタジアム宮崎でのオールスター戦についてや、「藤川投手をすごく研究してて」という清原が「何で急に球速くなったの?」と質問し、「誰にも話してなかったんですけど」と藤川が初めてその理由を明らかにするなど、秘話が連発。後編は、6日19時に配信される。