アイロンは電気によって熱を発生させる家電であるため、消費電力や電気代がどれほどか、気になるものですよね。本記事では、アイロンの電気代、および電気代を節約するためのコツを紹介します。
アイロンの電気代は月・年でいくらくらい?
仮に1カ月間(30日とします)で毎日10分ずつアイロンを使用したとすると、コンパクトタイプ(約600W)のもので約81円/月、大きめのタイプ(約1500W)のもので約202.5円/月の電気代がかかります。年間で考えると、それぞれ約972円/年、約2,430円/年になります。
上記の電気代の算出方法は以下の通り。
- 電気代(円)=消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×電力料金(円/kWh)
ここで、「電力料金」については全国家電電気製品公正取引協力会の新電力料金目安単価(※1)を参考に、1時間あたり27円としています。
上記の結果から、月額のアイロン使用における電気代を抑えるためには、アイロンのワット数、および使用時間を抑える必要があります。
アイロンの温度調節機能について
先ほど計算した600Wで81円/月、1500Wで202.5円/月という数字ですが、この数字はあくまでアイロンを使いっぱなしにした状態での金額です。
アイロンには温度調節機能が搭載されており、先ほどの金額より少し安くなることもあります。その理由は、機能や室温などの条件にはよるものの、温度調節機能の搭載されたアイロンは数分経過すると保温状態に入るためです。
保温状態に入ると、それまで通電していた時間の倍近くの時間を通電なしで使うことができます。使っていると点灯していたランプが消えたりする場合があり、これが通電していない保温状態をあらわします。
そのため、実際には上記で紹介した電気代よりもいくらか少額になることでしょう。
アイロンがけの順番で電気代の節約につなげるには
今回はアイロンが温度を徐々に上げていく待ち時間を利用して、アイロンがけの順序を工夫する節約方法をご紹介します。
低温(80度~120度) : シルク(絹)・ウール・ポリウレタンなど
電源を入れてから温まりはじめて間もない状態(80度~120度あたり)では、シルク(絹)やウール、ポリウレタンの素材にアイロンがけをしましょう。
これらの素材を使った衣類は、むしろ高温のアイロンでシワを伸ばしてはいけません。アイロン予定の洗濯物の中から、低温表示のあるものをより分けて温まりきる前にアイロンをかけてしまいましょう。
<素材・衣類例>
- シルク(絹) : ネクタイやスカーフ
- ウール : セーター
- ポリウレタン : 水着
中温(140度~160度) : ポリエステル・ナイロン・アクリルなど
中温の温度帯では(140度~160度)、ポリエステルやナイロン、アクリルの素材にアイロンがけをしましょう。この温度帯は比較的使う頻度の高い温度となります。
<素材・衣類例>
- ポリエステル : 学生服
- ナイロン : 水着
- アクリル : セーター
高温が適する素材
高温の温度帯では(180度~210度)、綿や麻の素材にアイロンがけをしましょう。どちらも天然素材を使用した生地のため、丈夫でシワが伸びにくいのが特徴です。あらかじめ、綿や麻を使用した衣類をピックアップしておき、高温表示になったら一気にアイロンがけをしてしまいましょう。
<素材・衣類例>
- 綿 : タオル・シャツ
- 麻 : ハンカチ
アイロンの使用時間を減らすために、干すタイミングを意識しよう
アイロンの電気代を節約するためには、アイロンを使用する時間を減らすことが効果的です。具体的には、洗濯時にできるだけシワが残らないような工夫をするとよいでしょう。
そもそも洗濯時にシワでできる原因は、「水」にあります。
天然の綿や麻などは洗濯することで水を含みます。繊維が水を含むと、分子同士の結びつきが弱まりバラバラになってしまいます。そして、そのバラバラになった状態で衣類が乾いてしまうと、その形状のまま残り固定されシワとなってしまうのです。
つまり、シワを付けないためには、繊維が水分を含んだ状態で衣類を固定しないことが大切です。洗濯後には濡れた状態で放置しないように、脱水が終わったあとには、早めに干すようにしましょう。
また、干す際にはできるだけ全体のシワを伸ばした状態で干すようにしましょう。
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アイロンは消費電力が大きい家電の1つです。
アイロンを使う際に、扱う衣類の順番を変えることで効率的にアイロンがけが可能になり、時間とお金の節約につながります。また、シワそのものを洗濯時から防ぐことで、アイロンにかかる電気代の節約につながるため、アイロンの使用には工夫をすると良いでしょう。
参照 :
(※1)全国家庭電気製品公正取引協議会 : 「電力料金の目安単価」の改定に関する件