パナソニックは、次亜塩素酸で除菌するスティックタイプの「次亜塩素酸 携帯除菌スプレー DL-SP006」(以下、DL-SP006)を2月1日に発売します。価格はオープン、推定市場価格(税別)は6,000円前後です。メディア向けのオンラインセミナーと試用機レポートをお届けします。

  • 「次亜塩素酸 携帯除菌スプレー DL-SP006」は、電動歯ブラシや電動まつげカーラーのようなサイズ感

次亜塩素酸は優れた除菌効果を持ち、一般向けにもさまざまな製品が販売されています。パナソニックも、次亜塩素酸を用いた空間除菌脱臭機「ジアイーノ」という製品を発売しており、コロナ禍で室内の清潔を意識する人が増えたことから大人気。一時、多くの量販店などで品切れが続きました。

さて、部屋の中の空気は、ジアイーノや空気清浄機を使ってキレイにできますが、外出先はそうはいきません。そんな悩みに対して、パナソニックがジアイーノの技術を生かして開発したのが、今回のDL-SP006です。テーブル、イス、トイレ、手すりなど、キレイにしたい場所にいろいろ使えるコンパクトなスプレーとなっています。

  • 箱だけみると、スマートウォッチなどのデジタル製品みたい

  • 白くスッキリとしたデザインです

DL-SP006は、シンプルなスティックタイプ。本体サイズは高さ154×幅19×奥行20mm、重量は34g。上着のポケットや、メイクポーチなどにも入るサイズ感です。

電源は単四形乾電池×1本で、スプレーするごとに電源を入れて、本体内部で次亜塩素酸水溶液を発生させます。アルカリ乾電池で30回の使用ですが、パナソニックの高性能乾電池エボルタなら50回、エボルタNEOなら70回使えます。製品には、次亜塩素酸の元となる塩水パックが10個付属。塩水パック1個で約50回スプレーできるとのこと。

  • 本体の下に単四形アルカリ電池と塩水パック10個が隠れていました

  • 塩水パックは1つ5ml

  • 乾電池エボルタなら50回、エボルタNEOなら70回、電解(次亜塩素酸水溶液の生成)できるそう(写真はエボルタ)

一般的に、次亜塩素酸は生成してから時間がたつと効果が薄れてしまいますが、DL-SP006の場合、スイッチを押すたびに次亜塩素酸を作ります。いわばできたての次亜塩素酸を使うため、有効塩素濃度が高い状態で除菌できるというわけ。DL-SP006で生成した次亜塩素酸は4時間ほど有効塩素濃度を保ちます。それ以上時間が経過した場合は、再度スイッチを押せばまた次亜塩素酸を作り出します。

  • DL-SP006本体に入れた塩水を電気分解して、次亜塩素酸を作ります

  • 次亜塩素酸は除菌力に優れており、プールの消毒、水道水の浄化などに使われている身近な素材です

  • DL-SP006で生成される次亜塩素酸は、漂白剤として使用されている「次亜塩素酸ナトリウム」や、食品添加物として使われる「次亜塩素酸水」とは異なります

さっそく使ってみました

まず本体に単四形電池×1本をセット。乾電池だと外出先に電池切れを起こしてもコンビニなどですぐに買えるので安心ですね。その後、塩水を入れるために、塩水パック(アンプル)の上部をカット。けっこう硬く、手でも切れなくはないのですが、ハサミを使うほうが簡単、安全です。

本体のスプレーボタン部分を開けて、塩水をタンクに入れます。塩水パックを逆さまにしても塩水は出てきません。強めに塩水パックを押す必要があるのですが、この仕組みのおかげでタンクに入れる前に塩水をこぼさずにすみます。補充用の塩水パック(別売)は、90個入りで価格はオープン、推定市場価格(税別)は、1,000円前後です。

  • 本体底部のキャップを外して電池をセット

  • スプレー部分とキャップは外れます

  • 塩水パックの素材は硬めなので、ハサミで上部をカットしましょう

  • スプレー部分を外すとタンクが登場。塩水パックの腹をぐぐっと押して塩水を入れます

タンクに塩水を入れたら、スプレーとキャップを元に戻して電源をオン(電源ボタンを2秒以上長押し)。電解している間は青いランプが点滅するので、本体を立てた状態で待ちます。

およそ1分で電解完了。もうちょっと待ち時間が短いとよかったのですが、仕組み的にしかたのないところでもあります。電解が完了するとランプが消え、使う準備ができました。なお、電解が終わってもブザーなどは鳴りません。電池の寿命が近づくと赤ランプが点滅します。

  • 電解中は青く点滅

  • 電解が完了したらスプレー可能です

除菌できるものとしては、便座、テーブル、衣類、帽子、靴など。医薬品ではないため、手指には使えません。DL-SP006でスプレーした次亜塩素酸水溶液が手指に付着しても、安全性には問題ないとのことですが、特に目・口・鼻・耳といったデリケートな部分には直接触れないよう注意です。人に向けて噴霧しないのはもちろん、動植物にも使えません。基本的に、物に対して使うスプレーです。

スプレーをした後は、布などで拭き取って30秒ほど放置。金属にスプレーした場合はサビの原因にもなるため、しっかりと拭き取ります。パナソニックによると、5秒くらいの放置でも除菌効果は期待できるそうです。

  • 20cmほど離した状態でスプレーしました

  • ティッシュの濡れている範囲が確認できるでしょうか?

革製品に使用する場合は、ものによって色落ちする場合があるため、目立たない部分で試してから使用したほうが安全です。パナソニックの担当者は「(次亜塩素酸)は水と塩水だけなので、アルコールよりは革への影響は穏やかだと思いますが、確認してから使用してください」と話していました。

実際にスプレーしてみると、広範囲に吹き付けるというよりは、狙った場所に狭く噴霧する印象。4人用のダイニングテーブルなどは、だいたい10回前後のスプレーで全体をカバーできそうです。噴霧した部分に鼻を近づけてみると、ちょっとだけプールのような塩素のニオイがしますが、すぐに消えます。

スプレーしたあと必ず布で拭き取るため、外出するときはDL-SP006と拭き取り用ハンカチを一緒にポーチにまとめています。

  • 帰宅後、革製のカバンにも

  • 布で拭き取ります。筆者のカバンは特に変色などはしませんでした

ちなみに飛行機の機内持ち込みは、タンクを空にした本体と、未開封の塩水パックなら可能とのこと。航空会社によっても異なるので、あらかじめ空港の航空会社カウンターで確認することをおすすめします。機内で使いたいときも、客室乗務員に確認してください。

コンパクトで持ち運びに便利

普段、手指の消毒用にはアルコールジェルなどを携帯していますが、スーパーのカゴやカート、店舗入り口のドアなど、いろいろな人が触れる場所の清潔性が気になっていました。外出して帰宅したあと、カバンのようなすぐには洗えない物をどうやってキレイにするか悩んでいたところです。

DL-SP006を持っておくと、手指はアルコール、物はDL-SP006(のスプレー)といったように、清潔を保てます。DL-SP006はコンパクトなスティック型で場所を取らないので、持ち運びにも便利。個人的には小学生の子どもにも持たせたいのですが、もし目などに入ることを考えると心配なので、しばらくは大人が使おうと思っています。

  • 動作音がないので、外出先で使いやすいDL-SP006