これが通算137局目の対戦。戦績は羽生九段の78勝、森内九段の59勝に

第92期ヒューリック杯棋聖戦(主催:産経新聞社)の二次予選決勝、▲羽生善治九段-△森内俊之九段戦が1月28日に東京・将棋会館で行われました。小学生からのライバルであり、共に永世名人である両者の対決は、90手で森内九段が勝利。決勝トーナメントへ駒を進めました。


羽生九段VS森内九段のタイトル戦全成績。肩書きは当時のもの

1988年1月の初対局から対局を重ね、本局が137度目の対戦です。タイトル戦では16回激突し、両者8回ずつシリーズを制しました。

本局は振り駒で羽生九段が先手となり、相掛かりの戦型になりました。近年流行している空中戦模様の展開から、羽生九段が1筋を突っかけ果敢に開戦。激しい戦いになりました。

駒損ながら馬を作り、森内陣を攻略しようとする羽生九段に対し、森内九段は持ち味である手厚い受けを披露します。持ち駒の銀・香を自陣に惜しみなく投入して、金銀3枚と香によるバリケードを構築。羽生九段の飛車と馬をシャットアウトして優位に立ちました。

自陣の憂いをなくしてから、森内九段は着実に羽生玉へと迫っていきます。羽生九段の反撃にも冷静に対処し、最後まで手厚い指し回しを貫いて森内九段が勝利を収めました。

本局の結果により、両者の対戦成績は羽生九段の78勝、森内九段の59勝になりました。

平成の時代には名人戦を中心に、数々の名勝負を繰り広げた両者。2年8カ月ぶりという久々の対戦に、ファンは大いに沸きました。羽生九段と森内九段のライバル対決は、これからも大きな注目と期待を集めることでしょう。

ライバル対決を制した森内九段は第88期以来の決勝トーナメント進出
ライバル対決を制した森内九段は第88期以来の決勝トーナメント進出