主要18作がそろった2021年の冬ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事 において、2021年冬ドラマの主な傾向を[1]「オリジナルで勝負」の意味は? [2]変わりはじめたテレビ朝日の2つと分析。

おすすめドラマとして、『その女、ジルバ』(東海テレビ・フジ系 土曜23時40分)、『ここは今から倫理です。』(NHK 土曜23:30~)、『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレ朝系 土曜23:00~)、『俺の家の話』(TBS系 金曜22:00~)、『知ってるワイフ』(フジ系 木曜22:00~)の5作を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』 月曜22時~ テレ東系

  • 香取慎吾(『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』出演)


出演者:香取慎吾、関水渚、勝村政信ほか
寸評:「指殺人」というフレーズが知れ渡った絶好のタイミングでドラマ化し、さらに香取を起用。「さすがテレ東」と声が上がるのも納得できる。物語のバリエーションに不安は残るが、切実さで押し切りたい。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

【関連まとめ】『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』はこちら>>

『青のSP―学校内警察・嶋田隆平-』 火曜21時~ カンテレ、フジ系

  • 藤原竜也(『青のSP―学校内警察・嶋田隆平-』出演)

出演者:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴ほか
寸評:刑事×学園のかけ合わせがすべて。どこかで聞いたような学校問題も警察が介入することで鮮度が蘇る。「原案」小説ありの作品だが、刑事モノが多い中この切り口を創造できなかったことが業界の課題か。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

【関連まとめ】『青のSP―学校内警察・嶋田隆平-』はこちら>>

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』 火曜22時~ TBS系

  • 上白石萌音(『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』出演)

出演者:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太ほか
寸評:同枠のオリジナル路線3作目。一年前の『恋つづ』に次ぐ上白石の起用で支持層をキープし、菜々緒とのビジュアルやキャラ対比は何よりわかりやすく時流に合う。恋模様の盛り上がりが鍵を握りそう。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

【関連まとめ】『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』はこちら>>

『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』 水曜22時~ 日テレ系

  • 浜辺美波(『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』出演)

出演者:菅野美穂、浜辺美波、沢村一樹ほか
寸評:北川悦吏子脚本をどう見るか。これまでよりコメディ色を濃くしているが、それが「古い」と言われる理由になっているのがつらいところ。キャストの人気で引っ張れるうちに視聴者をつかんでおきたい。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

【関連まとめ】『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』はこちら>>

『ゲキカラドウ』 水曜24時12分~ テレ東系

  • 泉里香(『ゲキカラドウ』出演)

出演者:桐山照史、泉里香、平田満ほか
寸評:テレ東らしい飯テロの新機軸。食事シーンの撮り方はもちろん、バラエティの激辛ブームを採り入れつつ営業マンの成長物語につなげるそつのなさが際立つ。激辛の描写はもっと遊びがあっていいのでは。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

【関連まとめ】『ゲキカラドウ』はこちら>>

『にじいろカルテ』 木曜21時~ テレ朝系

  • 高畑充希(『にじいろカルテ』出演)

出演者:高畑充希、北村匠海、井浦新ほか
寸評:どう切り取っても、穏やかで優しい岡田惠和ワールド。住民たちとのやり取りは、山奥版の『Dr.コトー』と言いたくなる。演技巧者ばかりで安心して見られることも含め、コロナ禍に寄り添う医療ドラマ。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】

【関連まとめ】『にじいろカルテ』はこちら>>