シャープは1月28日、NTTドコモ、東日本旅客鉄道(JR東日本)と連携し、新幹線試験電車「ALFA-X」と地上間を結ぶSA(スタンドアロン)方式の5G通信によって、双方向に8K映像コンテンツを伝送する実証試験に成功したと発表した。
実証試験は2020年10月から12月にかけて、東北新幹線仙台駅〜新青森駅の一部区間において、JR東日本が試験走行するALFA-Xで実施した。沿線の2か所に5Gの新技術であるSA方式の実験用5G基地局を設置し、時速360kmで走行するALFA-Xに向けて、あらかじめ制作したH.265コーデックの8K映像コンテンツを5G無線(使用周波数帯:4.85GHz)で送信。ALFA-X車内の実験用5G移動端末を介し、シャープ製32V型8Kモニター(試作機)に配信した。
また、同じ速度で走行中の車内にある移動端末から、実験用5G基地局に向けても8K映像を配信。双方向で8K映像伝送を行うことに成功した。接続する基地局が切り替っても、映像が途切れず表示できることも確認したという。
5Gには既存の4Gコアネットワークと5G基地局を連携させたNSA(Non-Stand Alone)方式と、コアネットワークも基地局も5G対応したSA(Stand Alone)方式の二通りがあり、現在サービスが開始されている5GはNSA方式。SA方式は、5Gの能力を最大限に引き出すことができるネットワークとして今後の展開が期待されている。
シャープは「今後もさまざまなシーンにおける5Gの実証実験を推進するとともに、5Gを活用した新たな価値の創造に取り組む」としている。