何かミスをしてしまった場合、謝罪の仕方は相手との今後の信頼関係に大きな影響を与えます。相手に失礼のないよう配慮しなければなりませんし、失った信頼を回復する必要もあります。しかし謝罪文はあまり書く機会がないので、いざというときに困ってしまう方も少なくありません。
そこで本記事では、社外/社内のシーン別に謝罪メールの文例を集めました。謝罪時に押さえておきたい、構成やタイミングの注意点もまとめています。
【謝罪メール】お客様宛てなど社外向けの謝罪文の書き方・例文
謝罪文は、社外なのか社内なのかで書き方が少々異なります。
ここでは、まずは社外の取引先への謝罪メールについて、パターン別に例文を紹介します。
ミス・不手際(入金遅れ・入金漏れなど)に関するお詫びメールの例
件名 : 1月31日入金遅延についてのお詫び
山田様
お世話になっております。
掲題に関しまして、当社の不手際により入金作業が完了できておりませんでした。
つきましては、本来1月31日が入金日ですが、2月1日入金にてお願いしたく存じます。
この度は弊社の不手際により、入金日が遅れてしまい、申し訳ございません。
今後は同様のミスを起こさないよう、2人体制にて入金完了をチェックするようにいたします。
今後は今回のような入金遅れが再発しないように努めて参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。
納品の遅延に関するお詫びメールの例
件名 : 2月29日納品分の遅延についてのお詫び
山田様
いつも大変お世話になっております。
掲題に関しまして、先日発注いただいた商品ですが、こちらの確認ミスでいまだ発注処理がされておりませんでした。
これから発注処理を行うため、納品日は当初の予定より遅れ、2月1日となりますことご了承ください。
弊社の不手際により、ご迷惑をおかけいたしますこと、謹んでお詫び申し上げます。
今後はこのようなことがないよう、発注いただいたものが発注でき次第、こちらからご連絡させていただきます。
取り急ぎ、お詫びの連絡とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
クレームに対するお詫びメールの例
弊社従業員の対応についてのお詫び
いつも田中スーパーをご利用いただき、誠にありがとうございます。
東京店長の田中です。
この度は弊社の従業員によってお客様に不快な思いをさせてしまったこと、心からお詫び申し上げます。
本人には厳重に注意し、お客様に気持ち良くご利用していただけるように、お寄せいただいた内容を社内全体で共有いたしました。
メールでのご連絡になってしまい大変恐縮ですが、改めてお詫び申し上げます。
今後ともお客様を第一に考えサービス向上に努めて参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
メールの返信が遅れたことに対するお詫びメールの例
山田様
お世話になっております。
2月1日から海外出張に入っており、ご返信が遅くなり申し訳ございません。
お問い合わせいただいた商品ですが、無事に発注作業は完了しております。
ご心配をおかけし、申し訳ございません。
今後は海外出張など、不在時には一報を入れるようにいたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
誤送信に対するお詫びメールの例
件名 : 【誤送信のお詫び】◯月◯日のメール誤送信について
山田様
いつも大変お世話になっております。
株式会社◯◯の石田です。
本日◯月◯日◯:◯◯頃、「△△△△△△△△△△」の件名でお送りしたメールですが、誤ってお送りしてしまったものになります。
私の確認不足により、誤ってメールを送信してしまい、申し訳ございませんでした。
また、大変勝手なお願いではございますが、当該メールを削除していただけますと幸いです。
今後このような事のないよう、重々注意してゆく所存ですので、何卒ご容赦いただけますよう重ねてお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
【謝罪メール】上司宛てなど社内向けの謝罪文の書き方・例文
社内への謝罪文の場合は、情報が全員に行き渡るよう関係者をCcに入れることを忘れないようにしましょう。
また、ミスの影響を小さく抑えるためにも、協力してもらえることがある場合は周囲の人にしっかりと頼ることも大切です。
ミス・不手際に関するお詫びメールの例
山田部長
お疲れ様です。
◯◯課の田中です。
先日ご依頼いただきました△△社への入金作業ですが、期日の1月31日を失念しておりました。
すぐに入金作業をいたしますが、入金日は2月1日にずれ込んでしまいます。
申し訳ございません。
今後はエクセルでまとめ入金日が管理しやすいようにするなど、再発防止に注意して業務にあたります。
この度は私の不注意によってご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
メールの返信が遅れたことに対するお詫びメールの例
山田部長
お疲れ様です。
返信が遅くなり、申し訳ございません。
出張に出ていたため、メールの確認が遅くなり、返信が遅れてしまいました。
問い合わせいただいた件に関しまして、今週中に対応することは可能です。
作業が完了次第、こちらから連絡させていただきます。
よろしくお願いいたします。
お詫びメールのポイント・注意点
メールで謝罪文を送る際には、意識しておくべきことがいくつかあります。
ここでは、謝罪メールにおいて注意するべき内容について解説します。
謝罪ははやいほうがいい
ミスがわかった場合、本来であれば直接電話にてお詫びをするのが一番良い方法です。
しかし、相手先の担当者が出張や会議中であったり、直接話すことができなかったりする場合もあるかもしれません。そのような場合、電話ができるまで待つのではなく、まずはメールにて一報を入れるようにしましょう。
ミスを把握していたのにも関わらず何も連絡しなければ、後日取引先から不信感を抱かれることがあります。
後述するように、ミスの原因や対応策を考えてからお詫びをすることが良い方法です。しかしそれらに時間がかかってしまう場合は、まずはミスが起きてしまったことを報告するために、メールや電話でお詫びの連絡を入れましょう。
謝罪文の件名・タイトルはわかりやすく
会社で働いていると、1日に何百件ものメールを確認しなければいけない人もいます。
ミスの対応はスピード感が大事です。ミスを相手に早く確認してもらう必要があるため、取引先に早く確認してもらえるように工夫が必要です。
【~についてのお詫び】を使用するなど、取引先の目に留まるような件名にするのがいいでしょう。
さらに、「〇〇のお詫び」と件名を確認しただけで、どのようなミスがあったのかわかるような件名にすると、ぱっと見て相手に伝わる謝罪メールとなります。
【構成】問題の原因を説明
取引先にミスの報告をした際、取引先がまず思うことは、「なぜそのようなミスが起きたのか」です。
メールや謝罪文では、ただミスをした報告だけに終わらないよう注意しておきましょう。
何が原因で、どのようにミスが起こってしまったのかを、相手にもわかりやすいよう丁寧に説明することが文章では大切です。
【構成】今後の対応策を説明
ミスの説明をして、それで終わりでは取引先は困ってしまいます。
そのミスが原因で取引先が被るマイナスを考え、そのマイナスが少しでも少なくなるような代替策を伝えましょう。
ミスには気をつけていても、ヒューマンエラーはつきものです。そのときにどのような対応をできるかがとても重要なので、しっかりと取引先の立場で考え、納得のいく対応策を提示しましょう。
【構成】締めの言葉
謝罪文の文中ですでに謝りの言葉は入っているはずです。しかし、締めの言葉として、改めてお詫びの言葉を入れるとなおいいでしょう。
そして今後は今回起きたトラブルの対応や再発防止策にしっかりと誠意を持って対応していくことを伝えましょう。
真摯な謝罪で誠意を示し、ミスの影響を最小限に抑えよう
社会で働いている限り、誰しも必ずミスを犯します。気を付けていてもミスは起こってしまうものですが、起きた後の対応が何よりも大切です。
ミスを隠ぺいしようとしたり、言い訳をしたりするのではなく、真摯に謝罪しミスを最小限に抑えられるように対応していく必要があります。
ミスを犯したときにこそ社会人の真価が問われます。まずは落ち着いて、対応していきましょう。