お笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾が、初の著書『PRIDELESS(プライドレス) 受け入れるが正解』(徳間書店 1,430円)を、きょう28日に発売する。合わせて、同書の内容、そして独立後の心境について語った藤森のインタビューが到着した。
芸人の枠を超えてドラマや映画などでもマルチに活躍し、YouTube公式チャンネルは登録者数60万人突破、主宰するオンラインサロン「FILLLLAGE」も大盛況の藤森。昨年末はコンビで所属事務所から電撃独立し、大きな話題を呼んだ。
同書では、藤森の半生、超プラス思考で生きるための哲学、過去の恋愛、そしてオリエンタルラジオ結成を含む相方への思いが語られており、読めば独立劇の決断を理解できるヒントにあふれている。藤森慎吾の人間ドラマとしても、複雑化する世の中を生き抜くための手引き書としても楽しめる一冊だ。
同書の発売にあたり、藤森がインタビューに答えた。
――このタイミングで本を作ることになったきっかけや理由は?
タイミング的には独立直後の発売となりましたが、独立前から決まっていた著書なので、決して何か暴露してやろうというわけではありません(笑)。相方がたくさん本を出すのを横目で見ていて、僕自身も今まで自分を発信する機会がなかったので、たまにはそういう機会があってもいいかな?と思い、今回この本のオファーに乗らせていただきました。
――いつ頃から作り始めていたのでしょうか?
昨年の9月くらいからですね。そこから担当編集さんと5回くらいやり取りさせていただきました。
――相方の中田敦彦さんには、どのように伝えましたか?
まだ伝えてません(笑)。次のオリラジチャンネル(オリエンタルラジオのYouTube公式チャンネル)の収録でいきなり告知をぶっ込んでやろうかなと思っています。だいたい何か発表がある時は最初にオリラジチャンネルで発表するんです。で、相方に「あ、告知やめてください」と制止されてメチャメチャこき下ろされるという、定番みたいな流れがあるんですけど、今回もそんな感じで1冊渡せればと思っています。
――中田さんの書籍との差別化など、何か意識したことは?
僕はけっこう相方に引っ張られがちな性格なのですが、作っているうちに、ありのままを出せば面白いものになるなと確信して。だから差別化などは意識せず、結果として全然違うものが自然とできたと思っています。
――タイトルの由来は?
原稿が完成したあとについた、いちばんしっくりきたタイトルです。意味合いとして僕をひと言で絶妙に表現する言葉だなって思って、すごく気に入っています。
――同書には、多くの挫折をしながらも、何度も立ち上がって来たエピソードが語られていますが、同じ状況の方へアドバイスを。
壁に直面している人には「乗り越えようとせずに迂回してください」と言いたいですね。僕は「乗り越えるぞ!」とかそういうマッチョなのがあまり好きじゃなくて。「そんなに無理にがんばらなくても、結果うまくいくよ!」ということは、この本を読んで感じてもらいたいです。もちろん、乗り越えられる体力や気力にみなぎっている人は乗り越えたほうがいいんですけどね。でも、僕は余力を残しつつのんびりやりたいタイプです。
挫折については、僕も失敗や上手くいかないことはいろいろありますが、そこは相方イズムで「とにかくそれは実験なんだ」と思えるようにマインドチェンジできるようになりましたね。「挫折もラッキー! どんとこい!」という感じです。挫折して立ち止まるのではなく、「この挫折の情報をもとに次は何をやるか?」が大事。そういうことも相方から教わりました。だから、ひどく落ち込むということはないです。要するに「人は考え次第ですよ」ということを伝えたい。
――年末の所属事務所独立から約1カ月経ちましたが、現在の心境は?
きわめて精神状態は良好です。決して独立前が不安定だったということではなく(笑)、「独立したら不安にさいなまれたりするのかな?」と思っていたけど、おかげさまですごく平穏な心持ちです。周りのひとたちに助けられているなと、あらためて実感しています。そして、会社は離れても、人は繋がっていられるんだということも非常に実感しています。
――今年の目標は?
今年はとにかく、(オンラインサロンで展開している)自分の村を発展ですね。単純にそこを遊び場として、それが結果としてエンタメに繋がり、次のステージへのステップアップになればいいなと。今はそこで最高のサウナを作るのが目標です。そうすればひとつまた展開が見えてくると思っています。
――最後にメッセージを。
この本に書いていることをそのまま信じるなということは言いたい。「こうして人生の成功を勝ち取れ!」とか、「俺は秒速で何億稼いだ!」とか、いろいろな本あると思いますけど、僕はあくまでチラ見くらいで良いんじゃないかと思っていて。そういうのをぜんぶ真正面から受け止め、それが自分に合っているのかどうかも分からないまま突っ走ってしまうのはすごく無駄な労力だと思う。だから、あくまで「あ、こんな商品も置いてある店があるんだ」くらいの、ウィンドウショッピングするくらいの感覚で読んで欲しいと思っています。この本を読んで、それをそのままやってみたところで、藤森の様になるわけでもないですしね。僕ができないこともいっぱいあるなかで、逆にそれをできている人もいっぱいいるので、冷静に客観的に見てくださいという感じです。