「人と人のつながりを創り続ける」というミッションを掲げ、2007年の設立以来、ワークフローシステムの普及をしてきたエイトレッド(東京証券取引所市場第一部 証券コード:3969)。ハンコ廃止やペーパーレス化など、稟議を取り巻く環境はますます変化してきています。

今回は前回に続き、2度の出戻りを経て、2019年6月に同社代表取締役に就任した岡本康広氏と、税理士でありながら幾つもの事業を立ち上げてきた連続起業家のSAKURA United Solution代表・井上一生氏が対談を行いました。

  • 稟議DX・ワークフローシステムを中小企業に普及させ、働き方改革を推進【後編】

X-point(エクスポイント)がもたらす3つのメリット

井上一生氏(以下、井上)――今回は、X-pointを導入するメリットや効果について教えてください。

岡本康広氏(以下、岡本)――はい。3つのメリットがあると考えています。「意思決定のスピードアップ」「コスト削減」「TPOに依存しない稟議」の3つです。

意思決定のスピードアップについては、紙による稟議ですと、オフィスの数や中間管理職の数によって、スピードがどんどん遅くなってしまいます。「稟議を1つ通すのに数日かかる」という事態になってしまうこともあるでしょう。経営者の方は、日々意思決定の連続ですから、「正直、ここに時間や労力を割きたくない。早く意思決定をしたい」と感じるシーンもあるかと思います。X-pointの導入によって、意思決定のスピードは向上します。

コスト削減については、「稟議のための無駄な会議が減る」「書類を保管する場所がいらなくなる」「郵送費・通信費や印刷コストの削減」「資料をまとめる、目視確認などの人件費の削減」などがあります。

TPOに依存しない稟議については、いつでも稟議を回すことができ、上司がデスクにいるタイミングを見計らう必要もありません。上司がいなくても、必要なときに申請すれば良いだけです。承認する上司の方は、移動時間に承認作業ができたりと、時間を有効活用できるでしょう。

井上――近年の「働き方改革」とも非常に相性の良いシステムですね。私も導入していてとても助かっています。もっとも人件費が高いはずの社長が、ハンコを押すために時間を取る。テレワークをしているのに、ハンコを押すためにわざわざ出社するなんて、実に非現代的なワークスタイルです。

岡本――活用していただき、ありがとうございます。経営者の方に承認の行列ができると、結果、余計な仕事が増えることになります。経営者の方が、経営の仕事に集中できる環境を提供することが大切だと感じています。本当に必要なところはアナログを残しても良いと私は考えています。適度な使い分けですね。

井上――生産性は、細かいコストや時間削減の積み重ねだと思うのです。例えば、私のメンターであるサイゼリヤの正垣会長は、作業動線を徹底的に研究していました。ワンウェイで完了するマクドナルドが良い見本でした。最近では、ある飲食店で、天丼の調理に15分かかっていたところを作業動線を変えることで6分に短縮した事例があるそうです。とてつもない生産性の向上ですよね。たかが数分ですが、されど数分なのです。そういった積み重ねを軽視してはいけないと思います。

岡本――仰るとおりだと思います。細かなことなのですが、その繰り返しによって膨大な時間やコストの削減につながります。

  • (左)SAKURA United Solution 代表・井上一生氏、(右)エイトレッド 代表取締役・岡本康広氏

人と人とのつながりを創り続けたい

井上――最後に、岡本さんの今後のビジョンをお聞かせください。

岡本――代表取締役就任から1年半が経ち、ビジネスはやはり人が重要であると強く感じています。ミッションにあるように、「人と人のつながりを創り続ける」ということを忘れずに、お客様やパートナー企業との関係をさらに深めていきたいと考えています。

電子契約やRPAなど、異なる分野の企業ともつながり、コラボレーションしていきたいですね。大手や中堅企業の方々だけでなく、もっと幅広い企業の方々にサービスを広げたいと思います。稟議に時間やコストをかけず、本業に集中できる環境をご提供したいです。

井上――私たちSAKURA United Solutionには、社会保険労務士事務所もあります。私たちとしても、働き方改革実現の支援を中小企業の方々にしたいと計画しています。中小企業の方々に、DXの良さを実感していただきたいですね。

岡本――今まで、会計事務所の方とは接点があまりなかったのですが、これを機にぜひコラボレーションさせていただきたいです。税理士の先生は、まさに経営者の方に寄り添う士業、専門家ですから、そんな方々と一緒に稟議DX・ワークフローシステムの啓蒙ができれば嬉しいですね。

井上――ありがとうございます。ぜひご一緒致しましょう。