今年も年末調整の締め切りが1月末に迫ってきました。会社員や公務員の人は昨年末に勤務先で年末調整をしたという人が多いかと思いますが、「年末調整に間に合わなかった」「後から忘れていた保険料控除が出てきた」という人もいるでしょう。

そこで、保険料控除申告書の見方や書き方をお伝えします。

  • 保険料控除申告書の見方・書き方を分かりやすく解説

    保険料控除申告書の見方・書き方を分かりやすく解説

■保険料控除申告書とは

まずは保険料控除のしくみについてお伝えします。11月くらいになると保険会社から「保険料控除証明書」という書類が送られてくるという人も多いのではないでしょうか。会社員や公務員の人は年末調整の際、保険料控除証明書を添付して保険料控除申告書を提出することで、払いすぎた税金が戻ってくる場合があります。

保険料控除の対象となる保険は4つあります。

1. 生命保険料控除

生命保険料控除は、一般の生命保険、介護保険、個人年金保険の3種類があります。2012年1月1日以降に契約した場合、年間の保険料が8万円までの場合は支払った金額が控除されます。年間の保険料が8万円を超えた場合、それぞれの控除額の上限は4万円で、合わせて12万円の控除になります。また2011年12月31日以前に契約した生命保険の場合は、一般の生命保険と個人年金保険の保険料がそれぞれ最高5万円、合わせて10万円まで控除の対象となります。 申告には「生命保険料控除証明書」が必要です。

2.地震保険料控除

地震保険は基本的に単独で加入することができず、火災保険とセットで加入しますが、地震保険料控除の対象になるのは「地震保険料」だけです。1年間の地震保険料の額が5万円以下の場合は支払った保険料の全額が、5万円を超えた場合は、5万円を限度に控除されます。申告には「地震保険料控除証明書」が必要です。

3.社会保険料控除

20歳を超えた子どもの国民年金保険料を親が支払っていたり、以前未払いだった国民年金保険料を支払ったりした場合は、年末調整により手続きをする必要があります。申告には「国民年金控除証明書」や「社会保険料控除証明書」が必要です。

4.小規模企業共済等掛金控除

自営業の人で小規模企業共済を掛けていたり、会社員や公務員でも個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入していたりする場合は掛金を全額控除することができます。申告には「小規模企業共済掛金払込証明書」が必要です。

■保険料控除申告書の書き方

保険料控除申告書は、「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の4つに分かれています。

  • 出典 : 国税庁ホームページよりダウンロード後、筆者加工

    出典 : 国税庁ホームページよりダウンロード後、筆者加工

<生命保険料控除>

図の赤い枠の部分です。

保険会社から送られてきた「生命保険料控除証明書」を確認して「一般用」「介護医療用」「個人年金用」のどれに当たるかを確認しましょう。次に、「旧制度」なのか「新制度」なのかを確認します。介護医療保険料には新・旧の区別はありません。

それぞれ、保険会社等の名称、保険等の種類……という欄を、生命保険料控除証明書を見ながら記入していきます。実際に支払った保険料を記入した後は、表の計算式に沿って計算していきます。計算した金額((イ)(ロ)(ハ)の金額)が先ほどお伝えした最大額以下であれば全額、最大額を超えていれば最大額を記入します。最終的に(イ)(ロ)(ハ)の合計額(最高12万円)が生命保険料控除額となります。

生命保険料控除の欄は記入する箇所も多く、計算が複雑で面倒と思うかもしれませんが、計算は番号順にしていけば分かるようになっているので安心してくださいね。

<地震保険料控除>

図の水色の部分です。

そんなに複雑ではないので、控除証明書に沿って記入していけばOKです。

<社会保険料控除>

図の緑の部分です。

支払った社会保険の種類と保険料支払先の名称を記入します。子どもの保険料を支払った場合は続柄に「子」と記入します。

<小規模企業共済等掛金控除>

図のオレンジの部分です。

小規模企業共済等掛金控除は「小規模企業共済」「企業型確定拠出年金」「個人型確定拠出年金」「心身障害者扶養共済掛金」の4種類があります。 小規模企業共済掛金払込証明書を見ながら記入します。

ちなみに、給与から天引きされている場合は勤務先が把握できているので記入する必要はありません。

■まとめ

記入が終わったら提出する前に、氏名(フリガナ)、住所がきちんと記入できているか、押印を忘れていないかなどもう一度書類を確認しましょう。記入する時になって慌てないよう、保険会社等から送られてくる控除証明書は分かりやすい場所にまとめて保存しておくといいですね。

保険料控除は自分で申告しないと税金の還付を受けることができません。忘れずに申告して、払いすぎた税金を取り戻しましょう!