本記事では、「面目躍如」の意味と正しい使い方を紹介します。
「面目躍如」は、責任ある立場・役割の中で自分自身を奮い立たせるために使ったり、相手を称賛する際に使ったりできる便利な言葉です。
是非、本記事を参考に、「面目躍如」という言葉を日常生活・ビジネスシーンで活用してください。
面目躍如の意味とは
「面目躍如」は、「めんもくやくじょ(めんぼくやくじょ)」と読みます。世間からの評判通りの活躍で生き生きとしている様子、世間からの評価が高くなる、などの意味を持ちます。
「去年の最優秀プレイヤーが、今年も営業売り上げ1位を独走するとは、まさに面目躍如だね」「最優秀プレイヤーとして、面目躍如を果たせました」などと使います。
面目躍如の語源
面目躍如の意味は、「面目」と「躍如」に分けて考えると理解しやすくなります。
「面目」は、世間に対する体面や立場、顔、世間からの評価を意味します。「面目丸つぶれ(世間に顔が立たない)」などと言う時の「面目」がこれにあたります。また「躍如」は、生き生きとして、はっきり目に見えるさまを表す言葉です。
これらを合わせ、世間からの評判通りにその活躍ぶりが目に見えるような状態を表すのが「面目躍如」というわけです。
ビジネスシーンにおける面目躍如の使い方
「面目躍如」は、どのようなシーンでどんな使い方をすれば、正しく効果的に表現できるのでしょう。以下では、ビジネスシーンにおいて「面目躍如」を使う際の代表的な言い回しを紹介します。
面目躍如たる
その活躍ぶりが世間や周囲の評判通りであることを称するような場合に、「面目躍如たる……」と表現します。
<例文>
- いくらベテランとは言え、低迷期に売上昨対比を大幅に上回るとは、面目躍如たる活躍ですね
面目躍如を果たす
何かを成し遂げた際、世間や周囲からの評価が一層高まることを「面目躍如を果たす」と表現します。
<例文>
- 皆様のお力添えで、何とか面目躍如を果たせました
面目躍如の
「面目躍如の」として、次に「賜物」「功績」といった言葉をつなげることで、対象者の活躍を称します。
<例文>
- 今回の窮地を救ったのは、彼の面目躍如の賜物です
- 君の面目躍如の功績は、十分評価に値するものだ
面目躍如の類語
類語とは、同じような意味を持つ言葉を指します。「面目躍如」の類語を覚えておくことで、シーンにあわせてより適切な表現を使えるようになりましょう。
ここでは「面目躍如」との関連を見ながら、類語のニュアンスや使い方を解説します。
面目一新
「面目一新」は「めんもくいっしん(めんぼくいっしん)」と読み、周囲からの評価が一新して良くなるという意味があります。
<例文>
- あの会社も経営者が変わったら、面目一新したね
面目が立つ
「面目が立つ」は、世間的な立場や名誉を傷つけられずに保たれるという意味があります。
<例文>
- 最悪の事態は免れて、これで何とか面目が立ちます
- 面目を立てていただいたこと、感謝いたします
期待通り
「期待通り」は、言葉そのままに期待した通り、思った通りという意味です。日常会話でよく使われ、「面目躍如」を口語的に表現した言葉と言えます。
<例文>
- やってくれるとは思っていたけど、まさに期待通りだった
- 期待通りの働きをお約束します
面目躍如の対義語
「面目躍如」の対義語も覚えておくと、表現の幅が広がりやすくなります。周囲から期待され評判が高い状態の否定形ですから、「周囲から期待されない」「評判が低い」状態を表現する言葉となります。
ここでは対義語を紹介し、それぞれの意味と使い方を解説します。
不面目・面目ない・面目が立たない
「不面目(ふめんぼく)」は、世間に対する体面や立場を失うこと、不名誉な恥ずかしいことなどの意味があります。同じ意味合いの言葉に、「面目ない」や「面目が立たない」などがあります。
<例文>
- このような形でしか終われないなんて、なんとも不面目だ
- 私のミスのせいで部下の昇格の機会を奪ってしまい、面目ない
- 今年も予算をショートしてしまうようでは、面目が立たない
轗軻不遇
「轗軻不遇(かんかふぐう)」は、世間や周囲に受け入れられない、思い通りにいかないという意味があります。「轗軻」は、平たんではないでこぼこ道という意味で、思うようにうまく進めない状態を指します。「不遇」は、才能がありながら世間に認められないという意味です。
<例文>
- 自分の人生を轗軻不遇だなんて決めつけちゃいけない
面目躍如の英語表現
英語で表現すると、評判が高まる、期待に応えるなどのニュアンスで相応に表現できます。相手の士気を称賛し鼓舞する「面目躍如」の英語表現を身に付け、ビジネスシーンでのコミュニケーションに活用しましょう。
live up to one's name
「live up to my name」には「~の名に恥じない」「名前負けしていない」といった意味があります。
<例文>
- He lives up to his name as a minister.
彼は大臣としての名に恥じない(働きをしている)。
面目躍如の意味や使い方を理解しよう
以上、「面目躍如」について、その意味やビジネスシーンにおける使い方、例文などを紹介しました。
聞きなれない・見慣れない言葉かもしれませんが、「面目躍如の活躍に期待しているよ」などと声をかけられた際にも、適切な返答ができるよう、しっかりと意味を理解して、誤用なく使えるようにしておきましょう。