考察は、自分の意見や提案を相手に伝えるために重要な行動です。そして考察には、多角的な観点から論理的かつ客観性が求められます。本記事では考察の意味や類語などについて詳しく解説していきます。
考察とは
考察とは、「物事を明らかにするためによく調べて考えること」という意味です。ある事柄を客観的にとらえる際に用いられます。
何らかの結果が得られたら、なぜそのような結果になったのかをデータなどの客観的指標をもって考え抜く過程や、考え抜いた末に得られた考え方そのものを考察と呼びます。
考察と混同しやすい言葉
考察と同じような意味で使われがちな言葉を紹介します。「考える」「調査する」という意味では似ているものが多いですが、実際には細かい意味や使い方には違いがあります。それぞれの意味と考察との違いについても解説しますので、正しい使い分けができるようにしていきましょう。
■所感
所感とは、「物事に対して感じたこと」を指します。感想のような意味合いですが、「おもしろかった」「楽しかった」といったような漠然とした感情についてではなく「気づき」を表しています。
主観的な考えになるので、客観的な考えが求められる考察とは異なり、事実に基づいている必要はありません。
■推察
推察は、「ある事柄や情報に基づいて推し量り考えること」を意味します。推察にも、事実に基づいて考えを述べるという意味がありますが、これは主観的な思考です。
考察は客観的な思考が求められるうえ、結論に至るまでの工程も重要視されるのに対し、推察は具体的な形として表れない他人の想いや考えなどに使われることが多いでしょう。
■考慮
考慮は「物事について思いめぐらすこと」「物事をいろいろな要素を含めて考えること」という意味を持ちます。
例えば、会合の日程を決めるときに参加者の予定や場所、予算の問題を考えに含んだうえで決定したとしましょう。この場合に「考慮」という言葉を使い、「参加者の予定や場所、予算などを考慮し、今回の会議は○○日の○○時にA会議室で行うことにしました」というように使います。
どちらも物事に対して考えることは共通していますが、考察は結論が必要になり、考慮は行動が必要になります。
■見解
見解とは「物事に対しての見方や考え方」のことを意味します。ほかにも、解釈や価値観といった意味も持ち、ある物事に対して「自分はこう考える」という意見や自分の価値観が見解に当たります。
考察は情報に基づいた考えを指していますが、見解では情報に基づく必要はありません。物事に対しての自分なりの考えを指しています。
■検討
検討は、「よく調べて研究したのちに良いか悪いかを考えること」を指します。ビジネスシーンでは、取り引きに対しての提案があり一度考えたい際に「検討します」のように使われます。
考察の英語表現
海外の企業と取り引きしたり、英語での表現方法が求められたりしたときのために考察という言葉の英単語を把握しておきましょう。
考察を訳す際は「よく調べ考えること」といった意味の英単語が使われることが非常に多いです。
discussion
discussionを直訳すると「議論・審議」です。日常的にはこの意味で使われますが、論文やレポートなど学術的な場面で使うことの多い単語です。ビジネスシーンで考察を表現する際には適していませんが、学術的な場面で使う際にはこの英単語を使うようにしましょう。
consideration
直訳すると、考慮の意味を指すのでニュアンスのずれが多少ありますが、「よく調べ考えること」といった考察に近い意味があります。名詞なので考察そのものの言葉を表現する時に使いやすい単語です。
study
studyは「研究」という意味があり、名詞でも動詞でも使えます。「This is a study of~」といった表現で、「これは~の考察です」と訳します。日常生活やビジネスシーンで使いやすい表現なので、これは押さえておく必要がある英単語でしょう。
考察の意味やまとめ方を理解しよう
考察はデータや数値を参考にしながら、論理的・多角的な観点で意見を導き出すことが重要です。ビジネスシーンにおいても偏った考えにならないよう、客観性を意識した判断をするようにしましょう。