俳優の吉沢亮が主演を務めるNHK大河ドラマ『青天を衝け』(2月14日スタート、毎週日曜20:00~)で制作統括を務める菓子浩氏が27日、オンラインで報道陣の取材に応じ、徳川慶喜を演じる草なぎ剛の起用理由を語った。

  • 徳川慶喜役の草なぎ剛

菓子氏はまず、「草なぎさんは、舞台とかで拝見していてすごく憑依型。役に乗り移っているような、なりきっているお芝居にすごく胸を打たれたことがありまして、いつかご一緒したいと思っていました」と自身の思いを明かした。

そして、慶喜という人物について「わかりにくい人物で、将軍になりたかったのか、なりたくなかったのか、徳川を残したかったのか、残したくなかったのか、はっきり色分けができない複雑な人。これまでの大河でも描かれ方が難しい人ではありますが、この物語だと渋沢栄一の運命を変える大事な人なので、いずれ慶喜はキーパーソンになります」と述べ、「優秀だけど複雑な、何を考えているかわからない、幕府を閉じるヒールな部分を引き受けて身を引いた方」と解説。

その上で、「どなたに演じていただこうか考えていたときにまずほしいと思ったのは、カリスマ性。そんなに語らなくても、何を考えているか見えなくても、その人物の物語が引っ張れるのは、その人物自体にカリスマ性がないと難しい。草なぎさんに演じていただきたいと思ってオファーしました」と起用理由を明かし、「複雑な心の機微をとてもうまく演じていただいていて、立ち姿、弓を射るシーンもありますが、一つ一つの動きが美しいですし、今は慶喜は草なぎさんしか考えられないなというくらいにハマっていると思っています」と草なぎの演技を絶賛した。

大河ドラマ第60作となる本作は、新一万円札の顔としても注目される渋沢栄一(吉沢)の生涯を描く物語。幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように未来を切り開き、約500の企業を育て約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”で、晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれている。

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