ソニー、「Xperia PRO」を1月27日予約開始 - HDMI入力でカメラ連携する5Gスマホ

ソニーは1月27日、映像クリエイターやYouTuber、報道カメラマンなど、プロ用途向けの5Gミリ波対応スマートフォン「Xperia PRO」の発売日を案内した。直販のソニーストアや全国の直営店5店舗（ソニーストア銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神）、一部量販店、ECサイトで、同日9時から予約受付を開始する。発売日は2月10日。価格はオープンで、店頭予想価格は税別228,000円前後。

Xperia PROの特徴。「カメラをコネクテッドデバイスに変えていく」ことがコンセプトの1つ

「Xperia PRO」は2020年2月に開発することが発表されていた、ミリ波・Sub 6対応の5Gスマートフォン。同社のフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 II」をベースに、ミリ波への対応や、スマートフォンとして世界初をうたうHDMI入力ポートなどの機能が盛り込まれた、映像制作のプロ向けデバイスとなる。

ターゲットは新聞・通信社や報道カメラマン、YouTuberやVloggerなどを含むプロの映像クリエイター。実際の新聞社やテレビ局からの協力を得て、番組制作・データ納品フローを想定した“プロユース”の実証実験を経て製品を作り込み、今回発売が決定した。

Xperia PROのベースとなった、ソニーのフラッグシップスマートフォン「Xperia 1 II」の特徴

Xperia PROのターゲットユーザー

本体の上下左右4カ所に、5Gのミリ波アンテナを配置し、360度の受信方位をカバーした。Xperiaシリーズ初のミリ波対応スマートフォンとなる

仕様はベースモデルとなるXperia 1 IIに近く、「α」譲りのカメラシステムやオーディオ機能も同じだ。大きな違いは、Xperia PROではミリ波に対応している点、ストレージが512GB容量である点、HDMI入力がある点など。また、Xperia 1 IIに搭載されているQi（ワイヤレス）充電は、Xperia PROでは省かれている。

HDMI入力は、本体下部に備えたmicroHDMIポートで対応。スマートフォンでのHDMI入力対応は世界初といい、開発時に手こずった部分だという。HDMI出力対応のデジタル一眼カメラやカムコーダーなどと接続して4K有機ELの外部モニターとして活用でき、入力された外部カメラの高画質映像をそのままライブ配信したり、高解像度の静止画を所定のサーバへ送ったりできる。入力は最大4K（3,480×2,160ドット）HDR 60p 10bitに対応する。

α7S IIIなどの対応カメラとHDMI接続すると外部モニターとして使える

外部モニター利用時、Xperia PROの画面上では、スクリーンロック、明るさ調整、グリッド表示、フレームライン表示などを表示可能。タッチ操作による拡大縮小も行える。開発時に行われた実証実験では、ソニー製カメラ「α7S III」で撮影した静止画を、テザリングしたXperia PROから5G通信で所定のサーバへ送る、といったことも行われた。このほか、Xperia PROではUSB接続によるファイル転送（カメラ→スマホ）も行える。

外部モニターとして使う際には、画面右に明るさ調整やフレームライン表示などの機能が並び、タップして適用できる

高画質映像や写真を配信する、5Gミリ波のサポートもポイントの1つ。ミリ波は現状、国内の対応エリアがほとんどないが、Sub 6よりも周波数帯域が広いため、通信速度（理論値）ではより高速なアップロード速度が見込める。Xperia PROでは、上下左右にミリ波のアンテナが配置されており、5G/4Gの通信状況を視覚化させる「ネットワークビジュアライザー」機能も搭載する。同機能では、ミリ波の受信方向を視覚的に描けるほか、実行速度も表示。また、アプリを小型化してトップ画面に常駐できる。

なお、本体側面のシャッターボタンの隣には、機能を割り当てられるショートカットキーを用意しており、ネットワークビジュアライザーもショートカットに割り当ててボタン1つで起動できるという。