コロナ禍の影響で、友人にもリアルで会えず、外出もできずな今日この頃。先の見えないこの状況から早く脱出したい! と思う時にうってつけなゲームが「リアル脱出ゲーム」だ。

リアル脱出ゲームとは、謎を解いて「脱出」することを目的とした体験型ゲーム・イベントのこと。新宿の「東京ミステリーサーカス」をはじめ、全国に店舗を展開するSCRAPが手掛けている。

この「リアル脱出ゲーム」、オンラインで自宅から楽しむこともできるという。今回、1月23日から開始するオンラインリアル脱出ゲーム『封鎖された魔王城からの脱出』にチャレンジしてみた。

果たして、魔王城から脱出できるのか……!?

※この記事では、同公演の序盤の謎を一部公開しています。ネタバレ厳禁の方はご注意ください。また、SCRAPに許可を取って公開しております。

  • 自宅でリアル脱出ゲームにチャレンジ! 魔王城に囚われたクセ強めな勇者たちを脱出させ、世界を救うのだ

挑戦するのは筆者と、脱出ゲーム好きの知人・Mさん。リアル脱出ゲームはたびたび遊んでいるものの、"オンライン"のリアル脱出ゲームは両者とも初めてだ。リアルな店舗で遊びにくい状況のなかオンラインで遊べるのは嬉しいが、リアル脱出ゲームの楽しさは、協力して謎を解く面白さと緊張感、そして圧倒的な没入感。リモートかつ普段ゴロゴロ過ごしている自宅で、どこまでのめりこめるのだろうか?

Mさん:初めてのオンラインリアル脱出、絶対脱出しましょう!

筆者:2020年はほぼ脱出できなかったので、今回こそは脱出したいですね。

『封鎖された魔王城からの脱出』を遊ぶには、SCRAPのサイトでチケット(1人税込3,000円)を購入しよう。1人でも遊べるが、SCRAPでは2~4人のグループでのプレイを推奨している。プレイはパソコン・スマホどちらからでも可能。

チケットを購入すればすぐ遊べるため、リモート飲み会の途中で思い立って始めるなんてこともできる。また「何分以内に脱出しろ」という制限時間もない。所要時間は100~120分だが1日で終わらせる必要はなく、途中まで遊んで別の日に続きから始めても良い。

今回は、パソコンのブラウザで『封鎖された魔王城からの脱出』のページを開き、スマホでLINE通話をつなげて遊んだ。ZOOMやSkypeなど、互いの顔やメモを見合える状況でも楽しいだろう。また必要な情報を書くために、メモとペンを用意しておくと便利だ。

サイトにアクセスすると、古き良きRPGゲームのようなページへ。指示通りオープニング動画を再生しよう。

▼STORY
あなたの住む世界では、人々は魔物による脅威に怯えながら暮らしていた。

魔物たちの親玉である魔王を討伐すべく、9人の勇者たちが『魔王城』へと向かう。
しかしその後、勇者たちが戻ることはなかった。

世界はこのまま闇に包まれてしまうのだろうか……。

筆者:開始20秒で主人公の村が焼かれました。

Mさん:主人公、ナーゾっていうんですね。謎だけに。

筆者:「ある日突然、魔王の攻撃魔法によって故郷の村が焼かれてしまう」とのことで、焼け跡から妹の人形を見つけてしまったり「RPGあるある」な始まりで設定が重い……。

数日後……あなたの元に国王からの書状が届く。

Mさん:おうさま が あらわれた!

王様によれば、魔王を倒せる9人の勇者は魔王城に囚われているという。「解読勇者」である主人公(プレイヤー)は、「囚われた勇者たちと通信して救い出し、世界平和を取り戻してほしい」と王様から頼まれる。

筆者:これは「はい」一択しかない!

暗号解読が得意な『解読勇者』であるあなたはさっそく仕事に取り掛かった……!
あなたは魔王城に仕組まれたすべての謎や暗号を解き明かし、勇者たちを救い出して世界に平和を取り戻すことができるだろうか?

Mさん:「解読勇者」という職業の勇者、初めて聞きました。

筆者:私も初耳です。そして勇者もリモートワークができる時代なんですね。

囚われた勇者たちと連絡を取るために、通信魔法「ツナゲール」を唱えよう。

Mさん・筆者:ツナゲール!!

  • リーダー勇者のクウネル。9人の勇者をまとめる役のようだ

魔王城にいる勇者たちとの通信に成功した主人公。勇者クウネルによると、彼らが魔王城に囚われたのは作戦だったという。ただ魔王にかけられた呪いにより、弱体化しているとのこと。呪いが解ければ、勇者全員の協力魔法「ミナサンダー」で魔王を倒すことができるそうなのだが……。

筆者:「ツナゲール」での通信映像、リモート飲み会とかリモート会議の気分になります。

Mさん:それにしてもこの世界の勇者、みんな異様にクセが強いですね。

筆者:僧侶勇者、魔法勇者、魔獣使い勇者、自己紹介を聞いてるといろんな勇者がいますね。音楽勇者のカナデルはずっと週刊誌の占いコーナー読んでますし。

Mさん:料理人や盗賊もいます。リアル脱出ゲームは問題だけでなくて、こういった説明にヒントがあるかもしれないので気が抜けないです(音声通話なのでMさんの様子は見えないが、細かくメモを取っているようだ)

  • どくどくスライムのシロちゃんと一緒にいる魔物使い勇者のハイジ。無邪気で可愛い

  • 僧侶勇者である僧侶のオテアテ。なんとも怪しい笑い方が個性的だ

クウネルによれば、まずは呪いを解く手掛かりが入った宝箱を開けるため、モンスター四天王からカギを奪わなければならない。プレイヤーのミッションは「魔物図鑑に書かれた謎を解き、四天王の情報を知ること」、「勇者たちへカギを奪う攻略法を伝えること」だ。

  • この箱に、勇者たちの呪いを解くヒントがある

  • 宝箱のカギはモンスターの四天王が持っている

まずは四天王の1匹目「ダークドラゴン」の情報を開放すべく、「魔物図鑑」の謎を解いていこう。

Mさん:時間制限はないですけど、手分けして解いていきましょう。最初は簡単な問題が多そうなのでサクサク行きますよ。

ひとくちに謎と言っても、人によって「パズルを解くのは速い」「数字の問題はすぐ解ける」など、得意不得意がある。チームで解くときは得意な分野を分担するとスムーズに進むだろう。

筆者:早速「B」の問題でつまづきました。〇〇パーが「ひらパー」しか思いつけない……。

  • 筆者が序盤でドツボにはまった謎B。あなたは解けるだろうか

Mさん:ヒントも用意されてますけど、序盤で見るのはやや悔しいのでもう少し粘りましょうか。でも見たらすぐに答えが分かるものではなく、段階を踏んで教えてくれるので「ヒントを見たら負け感」が薄いですね。

先に謎を解けた問題のヒントを互いに出しながら、自力で全問正解!

解放された四天王の情報をチェックして、ダークドラゴンを倒しに向かう「武闘家ナグル」「料理家チョウリン」に倒し方を伝えよう。

  • 「魔物図鑑」に書かれたダークドラゴンの情報

筆者:ダークドラゴン、強そうです。でも一番最初に出てくるから、四天王の中では最弱なんですかね。

Mさん:奴の攻撃を受けると動けなくなるのは要注意です。戦ってくれる勇者の情報も見てみましょうか。

  • 武闘家のナグル

  • 料理家のチョウリン

Mさん:ナグルおじいさん、ただの酔っぱらいにしか見えないけど大丈夫かな。

筆者:炎を消す「ホノオケス」や正拳突きを食らわせる「セイケン」といった魔法は使えるようですね。呪文の名前が内容そのまんまなので分かりやすい。

Mさん:これらの情報を組み合わせて、4ターンでダークドラゴンからカギを奪う方法は……。

これまでに提示された情報を組み合わせ、カギを奪うための作戦を考えてチョウリンとナグルに伝えよう。

Mさん;答えを入力! 伝えられました! あとは頼みますよ~。

筆者:あれ、エラーが出た? と思ったら誤字がありました(笑)。

指示通り動き、無事にカギを奪えたナグルとチョウリン。再び他の勇者たちと通信をつなげて報告しよう。とはいえまだ残り3本のカギを奪わなければならない。呪いを解き、魔王を倒す道のりは長そうだ……。

ここから先はネタバレ禁止なので書けないが、四天王を倒し、勇者たちの呪いを解き、無事世界を救うことができた!

Mさん・筆者:やったー! 脱出成功だ~!!!!!

かかった時間は約150分。想定時間は過ぎてしまったが、全部の問題をじっくり解けて納得できたので満足感は高い。

筆者:Mさん、初めてのオンラインリアル脱出ゲームはどうでしたか?

Mさん:制限時間がないのでのんびりしちゃって、想定時間を大幅に超えたのは悔しかったです。ひとつひとつの小さい問題の難易度はそれほど難しすぎず、ボリュームもあって解きごたえはありました!

筆者:時間制限もないしヒントもたっぷりあるし、初めてリアル脱出ゲームをする人には良さそうですよね。プレイ前はどんな感じか想像がつかなかったんですけど、RPGあるあるな設定やダジャレな呪文名にツッコミつつ、謎を解いていくうちに「リモートで勇者を助ける」という没入感も楽しめました。

Mさん:役者さんたちの演技はすごいですよね。あと、謎好きの間で、前半の謎を後半でもう一度使うことを「まだ味がする」と言うそうなんですけど、今回も「まだ味がありそう」と思ったところが当たってうれしかったです(笑)。

筆者:いや~、しかし脱出できてスッキリしましたね! 頭を使った疲労感はすごいですが。

Mさん:遊んでたらオフラインのリアル脱出ゲームもやりたくなりました。今の状況が落ち着いたらリアルに脱出したいですよ!

筆者:囚われた勇者は解放できたのに、こっちは脱出ゲームに囚われっぱなしだった。


リモートの飲み会や映画鑑賞でのんびり過ごすのも楽しいが、頭をフル回転させて答えをひらめいた時のスッキリ感や、どうしても解けずにヒントを開く時の「なんで気づけなかったんだ!」という悔しさなどは、リアル脱出ゲームならではの面白さだ。

ぼんやりとした閉塞感がある今だからこそ、「謎にチャレンジするワクワク感」「脱出できた瞬間の解放感」を友人と共有してみてはいかがだろうか。