アップルは1月22日、心電図アプリケーション(ECGアプリ)と不規則な心拍の通知機能(IRN、irregular heart rhythm notification)が日本版のApple Watchでも使えるようになると発表した。Apple Watchを用いて心電図を記録できるようになるほか、脳卒中の要因となる心房細動(AFib)の兆候がないかどうかを自動でチェックし、不規則な心拍を検出するとユーザーに通知する。日常的に心電図を測ったり、Apple Watchを装着しているだけで自覚症状のない心房細動を検出できることで、Apple Watchを利用する価値が大きく高まりそうだ。
これらの心機能は、近日中にリリースするiOS 14.4とwatchOS 7.3で利用可能になる。対応機種は、心電図アプリがApple Watch Series 4、5、6、不規則な心拍の通知機能がApple Watch Series 3以降。それぞれのOSのアップデートや機能の利用は無料。
心電図は好きな時に測定可能、Digital Crownに指を当てるだけ
心電図アプリを用いれば、Apple Watchの裏蓋にあるクリスタルとDigital Crownに組み込まれている電極を利用し、いつでも心電図を記録できる。心電図アプリを開き、人差し指をDigital Crownに当てるだけで、心臓を通る電気信号が測定できる仕組み。測定に必要な時間は約30秒で、検出した心拍リズムは心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類される。医師が第Ⅰ誘導心電図を使って測定するのと同等の正確な心電図を記録できるという。
測定した記録や分類、注意が必要な症状は、iPhoneのヘルスケアアプリケーションに保存される。これらの結果はPDFとして生成でき、医師に見せたり送ったりして共有でき、診察に活用できる。
心電図は、好きなタイミングでいつでも測定できる。
不規則な心拍の通知機能は自動で測定が始まる
不規則な心拍の通知機能は、心房細動(AFib)の兆候がないか、Apple Watchの装着中にバックグラウンドで心拍リズムを時折チェックすることで測定する。最低65分以上の時間をかけて5回の心拍リズムのチェックを行い、不規則な心拍リズムが検出されるとユーザーに通知する仕組み。ユーザーが特に機能を実行する必要がなく、ユーザーが安静にしているタイミングを見計らって自動的に測定が行われる。
心電図、不規則な心拍の通知機能ともに、Apple Watchのバッテリー駆動時間への影響はほとんどないレベルに抑えられている。