英Raspberry Pi Foundationは1月21日 (現地時間)、マイコンボード「Raspberry Pi Pico」を発表した。独自開発のRP2040チップを搭載、「(Raspberry Pi) 初のマイクロコントローラ・クラスの製品」としている。価格は4USドル。日本ではスイッチサイエンスやKSYが販売を予定しており、スイッチサイエンスでの価格は550円 (税込)。
RP2040は、これまでRaspberry Piの様々な製品でマイコンを採用してきた経験から、整数演算に優れたパフォーマンス、柔軟なI/O、低価格の3つを大きな目標に独自に開発した。7×7mm QFN-56パッケージに、Cortex-M0 (デュアルコア/133MHz)、256KB SRAMを搭載。QSPIバスを介して最大16MBのフラッシュメモリーをサポート。30 GPIOピン (4つはADCに利用可能)、USB 1.1、UART×2、SPIコントローラ×2、I2Cコントローラ×2、PWMチャネル×16といった機能を備える。パフォーマンスについては、Pete Warden氏がTensorFlow Liteをポートしている。
RP2040を搭載するRaspberry Pi Picoは、2MBのQSPIフラッシュメモリーを搭載。26のGPIOピン (3ピンはADCに利用可能)。UMART×2、SPI×2、I2S×2、PWM×16、PIO(Programmable I/O)×8、温度センサー、1.8~5V入力に対応する電源ICを備える。サイズは21×51mm。
Python(MicroPython)やC/C++を使った開発が可能で、他のRaspberry PiシリーズのようにLinux OSは搭載できない。学習やホビー、組み込み用途への採用も視野に、スムーズに開発を始められるように、Raspberry Pi PicoやRP2040、SDKに関する充実したガイドやドキュメント、利用例を用意している。
Raspberry Piは、Raspberry Pi Pico向けのアクセサリー、RP2040を採用したボードの提供で、Adafruit、Arduino、Pimoroni、Sparkfunといったパートナーと協力した作業を進めるなど、PicoとRP2040のエコシステムの拡大に意欲を見せている。