テレビ東京の水ドラ25枠で1月から放送されている『テレビ演劇 サクセス荘3』(毎週水曜25:28~)。都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」を舞台に、芸人、漫画家、占い師、料理人など個性豊かな住人の物語を描いている。2019年から始まった同シリーズは「リハは1度だけ」「本番一発勝負」の「テレビ演劇」という新たな形が好評で、今回3期目の放送に。
『サクセス荘3』では、今話題の2.5次元舞台俳優として人気の和田雅成、高橋健介、高木俊、黒羽麻璃央、spi、立石俊樹、有澤樟太郎、定本楓馬、玉城裕規、寺山武志、小西詠斗、唐橋充(劇中部屋番号順)の12名が出演する。今回は2期より参加し、演歌歌手志望の虎次郎を演じるspiにインタビューした。
■「時間が余っちゃったから歌で伸ばして」
――spiさんは『サクセス荘2』からの参加となりましたが、いかがでしたか?
めちゃくちゃ大変でした(笑)。たぶんテレビで見ると「楽しそう」という印象で、効果音もカメラ割りもあるし、上手に処理してくれてるから違和感がないと思うんですけど、出演していると緊張感があります。パス回しのような感覚で、もちろんみなさんフォローはしてくれるんですけど、優しさに甘えてはいけないし、自分も誰かがミスった時にフォローできるようにしたいし、スポーツの緊張感に似ているかもしれません。
――spiさんは果敢にアドリブを入れてるんじゃないか、という印象もあります。
1~2回やってみて、あんまり収まらない方がいいかなとは思いました。普通のドラマのようなリアルな感じよりも、新喜劇とか舞台寄りの世界観だから、絵的にも派手な方がいいなと思って、いけそうなところではちょっとネジを外してみようなかなと。
――『サクセス荘2』の第3回の最後では、『レ・ミゼラブル』のような歌でのアドリブも話題になっていました。
あれはレミゼの「ヴァルジャンの独白」のオマージュです(笑)。「時間が余っちゃったから歌で伸ばして」と言われて、2〜3秒でやらなければいけなかったので、「マジかよ!」と焦りました。
――虎次郎はspiさんの歌唱力が面白さに繋がっていますが、武器として期待されている感覚はありますか?
自分が1番尖れるのが歌だから、そこを使わせてくれたのはすごくありがたいです。演歌歌手というキャラクターにも、歌が武器というところが出ていました。
――第8回ではゴーちゃん(和田)がいなくて助けを求めていた姿が印象的でしたが、『サクセス荘』の先輩たちは頼もしく感じていましたか?
ゴーちゃんさんがいると、軌道修正してくれるんです。自由にやっていても引き戻してくれるから、ゴーちゃんさんがいない時に脱線して、本当に取り返しのつかないことになっちゃって、戻し方がわからなくて、助けを求めるということになってしまいました(笑)。
――spiさんご自身は印象に残っている回はありましたか?
最終回です。雅成が、「即興は本当に辛い!」と言っていたのが印象的でした(笑)。即興のお芝居と即興のコントは別のものだから、やっぱり難しかったです。
――シリーズが好評で『サクセス荘3』と続きますが、2期の経験をどのように生かしていきたいですか?
最初は「どうやったら見てくれる方が増えるんだろう」とか、「何をしたらバズるかな」とかも考えていたんですけど、途中からは「自分が楽しむしかない」と思うようになったので、そこを生かしていければ。新しい方も入ってくるし、本当にクリエイター陣もスタッフさんも「面白いことしようよ」というのが最初にあるチームなんです。数字的なこと、商業的なことが表立っているわけではなく「皆で楽しいことしようよ」というのが1番なので、現場を離れたくなくて、今後も参加したいと思わせてくれるチームです。
■spi
1987年10月30日生まれ、神奈川県出身。幼少期より歌・ダンスと活動し、歌手としても活躍。主な出演作にミュージカル『RENT』(10〜15年)、ミュージカル『JERSEY BOYS』(18年〜)、舞台『黒子のバスケ』シリーズ(16年〜)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(17年〜)、舞台『KING OF PRISM』シリーズ(17年〜)など。
(C)「テレビ演劇 サクセス荘3」製作委員会