米Netflixの有料会員数が2億人を突破した。1月19日 (現地時間)に発表した2020年10~12月期決算の中で明かした。2007年に映画やドラマのストリーミング配信を開始してから約13年で2億人に到達。2017年4~6月期に1億人を達成してから3年半で倍増を成し遂げた。

2020年12月末時点の世界の有料会員数は2億366万人 (前年同期比22%増)。10~12月期は前期から4%増、851万人の増加だった。地域別の会員数は以下の通り。

  • 米国・カナダ (UCAN):7394万人(前年同期比9%増)
  • 欧州・中東・アフリカ (EMEA):6670万人 (同29%増)
  • 中南米 (LATAM):3754万人 (同20%増)
  • アジア太平洋 (APAC):2549万人 (同57%増)。

2020年1年間の有料会員の増加数は、過去最高の3657万人。前年比31%増だった。米国外にサービスを拡大する戦略が順調に進んでいることに加えて、新型コロナ禍の巣ごもり需要で1~3月期が1577万人増、4~6月期が1009万人増と、昨年前半に会員が急増した。7~9月期は220万人増と減速したものの、ホリデーシーズンにオリジナル映画/ドラマの新作や新シーズンのヒットに恵まれて2億人を達成できた。

  • Netflixのロサンゼルスの拠点

    Netflixのロサンゼルスの拠点

10~12月期に最も話題になったのは、チェスの天才少女を描いた「クイーンズ・ギャンビット」(The Queen's Gambit:2020年10月配信開始)、配信開始から4週間で6200万アカウント以上で視聴された。2020年12月配信開始の「ブリジャートン家」(Bridgerton)もクイーンズ・ギャンビットに劣らない勢いで視聴数を伸ばしている。ジョージ・クルーニー主演「The Midnight Sky」(2020年12月配信開始)、「ザ・クラウン」(The Crown)の第4シーズン (2020年11月配信開始)も好調だ。

2020年10~12月期の決算は、売上高が過去最高の66億4444万ドル (前年同期比22%増)。純利益は5億4200万ドル (同8%減)。2020年は記録ずくめの年になったが、ストリーミング配信サービス市場ではAmazonの「Amazon Prime Video」やAppleの「Apple TV+」に続いて、Disneyの「Disney+」、HBOの「HBO Max」など新サービスの参入が続く。Netflixは12日に、2021年の新作映画のラインナップを発表。1月時点で70作品と、週1作品以上のペースで提供する計画を示した。しかしながら、巣ごもり需要が落ちついて、他のサービスとの会員の奪い合いが激しくなっており、2021年1~3月期については、有料会員の増加が600万人と慎重な見通しを示した (前年同期は1577万人増)。