東京メトロは1月27日から、視覚障がい者を音声案内するナビゲーションシステムアプリ「shikAI(シカイ)」を公開する。駅構内の点字ブロックに設置したQRコードをiPhoneのカメラで読み取り、現在地から目的地までの駅構内の移動ルートを導き出し、音声で目的地まで案内するシステムとなる。

  • 「shikAI」アプリ使用イメージ

「shikAI」は視覚障がい者も安心して駅を利用できるようになることを目的に、リンクス社が2017年に開発を開始し、東京メトロ総合研修訓練センターや実際の駅にて、計150人以上の視覚障がい者の協力を得て、実用化に向けた検証を重ねてきたという。

検証の結果を踏まえ、利用者の要望を反映したシステムが完成したことから、ホームドアが整備され、かつ視覚障がい者の利用が多い5駅を対象にアプリを公開することになった。アプリ公開時の対象駅は、千代田線・副都心線の明治神宮前(原宿)駅、有楽町線の新木場駅と辰巳駅、副都心線の北参道駅と西早稲田駅の計5駅。4月までに銀座線の外苑前駅、有楽町線の東池袋駅、護国寺駅、豊洲駅にも拡大し、計9駅での運用をめざすという。

  • アプリ使用開始までの手順イメージ

なお、「shikAI」を利用する際、歩行指導員から操作方法の説明を受けた上で、実際に点字ブロック上で使用し、歩行指導員から認証キーを受け取る必要がある。アプリをインストールしてアカウント登録を行い、手順に従って操作を進めると、歩行指導員からアプリ説明のための電話連絡があるとのこと。視覚障がい者に向けたアプリのため、晴眼者は使用できない。