まだ日本に1台しかないというキャデラックのラグジュアリーSUV「エスカレード」に見参してきた。堂々たる体躯は前型に比べさらに大きくなり、アーキテクチャーの刷新で乗り心地も向上しているという新型エスカレード。そのゴージャスな実車をじっくりとご覧いただきたい。
外観の違う2グレードをラインアップ
初代モデルから20年以上の歴史を持つキャデラックのフルサイズラグジュアリーSUV「エスカレード」がフルモデルチェンジを遂げた。車体は前型より拡大し、ボディサイズは全長5,382mm、全幅2,060mm、全高1,948mm、ホイールベース3,081mmに。3列のシートを備え、最大7人で乗れる巨大かつ豪華なSUVだ。
新型エスカレードには1,490万円の「プラチナム」と1,520万円の「スポーツ」という2つのグレードがある。違いは外観のみで中身は同じなので、買うなら単純に好みで選べばいい。写真のスポーツは、黒を基調とするグリルやホイールが引き締まった印象だ。プラチナムはグリルなどがメッキ調のデザインとなる。
ゼネラルモーターズ・ジャパンの上原慶昭さんによると、アーキテクチャーの刷新により、新型エスカレードは乗り心地が向上しているとのこと。GMのフルサイズトラックと共通のアーキテクチャーを使っていることに変わりはないものの、リア部分はエスカレード専用に開発したそうだ。これにより、前型ではトラックと同じくリジッドアクスル式を採用していたリアのサスペンションは、独立懸架式に変更となった。日本仕様はエアサスペンションが標準装備になっていて、乗用車としての乗り心地はさらにアップしているそうだ。
全長およびホイールベースの拡大により車内スペースが広くなった恩恵は、後部座席の快適性向上に直結している。特に、独立した2席のキャプテンシートからなる2列目は「特等席」(上原さん)で、目の前にある大きなモニターを活用すれば移動時間を楽しく過ごせそうだ。
クルマというクルマの中で、最も巨大なのではないかと思えるエスカレード。狭い道路も多い日本では乗りにくそうだが、どんな人に選ばれているのだろうか。「街中で見ると、堂々とした車体の大きさも含めエスカレードは際立った存在ですが、ほかとは全く違うというところにご満足いただいている方も多いのでは」というのが上原さんの見立てだ。
こういった発想のクルマは、米国であればリンカーンの「ナビゲーター」という商品もあるとのことだが、日本で選ぶとすればエスカレードをおいてほかにない。つまり、この手のクルマに乗りたければ、このクルマしか選択肢がないということが、エスカレードの魅力であり強みなのだ。