「大団円」という言葉をご存じでしょうか。言葉自体は知っているという方もいれば、普段耳にすることは少ない言葉なので、初めて聞いたという方もいるでしょう。

仕事の中で「小さなミスが重なりトラブルなどいろいろあったが、無事に大団円を迎えた」「君が大団円へと導くのだ」「今回のプロジェクトが大団円になることを望んでいる」など言われる可能性もあります。「大団円」の意味や使い方を知り、ビジネスに活かしましょう。

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    「大団円」の意味や使い方を学んで知識を高めましょう

「大団円」の意味

「大団円」とは、小説や演劇、映画などストーリー性があるものの最後の場面、大変見事に解決する場面、という意味の言葉です。読み方は「だいだんえん」です。

ストーリーが終わった後ではなく、結末部分の場面を指す言葉です。基本的には、明るい終わり方、良い形で終わるハッピーエンドに使用されます。悲劇的な結末の物語では「大団円」という表現はしません。

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    「大団円」の意味を知りましょう

「大団円」の由来

「大団円」の由来は、丸いことを指す団円にあります。円は欠けた部分がなく美しい形をしているため「欠けることなく終わる」という意味から、すべて丸く収まり、良い結末を迎える「団円」という言葉が生まれました。

「団円」に「大」をプラスすることで、欠けることがなく良い結末を迎えることを強調する言葉になったといわれています。

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    「大団円」の由来を知ることで言葉の意味を深められるでしょう

ビジネスシーンにおける「大団円」の使い方

ビジネスシーンにおける「大団円」の使い方としては、大団円を迎える・大団円となる、などがあります。小説や映画などでよく使われる「大団円」ですが、ビジネスシーンでも登場する言葉です。

上司や同僚との会話で出てくることもあるでしょう。ビジネスシーンにおける「大団円」の使い方や例文を知って、シーンに合わせて正しく使いましょう。

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    ビジネスシーンでも「大団円」という言葉は使用します

大団円を迎える

「大団円を迎える」という使い方は、「大団円を迎える展開にしたいため尽力したいと思っています」「今年はさまざまなトラブルが降りかかってきたが、会社の皆で協力して結果的には大団円を迎えることとなった」などがあります。

困難な展開の中で終盤、大詰めを迎える時、良い方向にまとめてきた、良い結末になった、というニュアンスで使われることが多いでしょう。

大団円となる

「大団円となる」という使い方は、「経験も実力もある君が新米の彼と交代して修正作業に入ることで大円団となるはずだ」「私の苦しい営業も、この契約を取ることで大団円となるようにしたい」などがあります。

円満に終わる形に持っていく場合や、盛り上がって完結させる場合に使用されることが多いでしょう。

「大団円」の類語・反対語

「大団円」の類語・反対語を知って場面に合わせて正しく使いましょう。「大団円」は、最終のこと・めでたく収まる、という意味から、以下の類語があり、その言葉に伴う反対語も存在します。

  • 最終のことという意味の類語に「大切り」「大詰め」
  • 最終のことという意味の反対語に「開幕」「プロローグ」
  • めでたく収まるという意味の類語に「有終の美」「丸く収まる」
  • めでたく収まるという意味の反対語に「悲劇」「バッドエンド」
  • 階段の上で何かを開いている女性

    「大団円」の類語・反対語を知りましょう

「最終のこと」という意味での類語

「大団円」の類語として「最終のこと」という意味で、「大切り」「大詰め」があります。大切りは大きい大きさで切って分けること、大勝利、芝居の最終幕、結末、大詰めは劇の最後の幕や場面・物事の最終段階という意味の言葉です。

例文としては、「どんな恋愛もこれが大切りだよ」「犯人の捜索は大詰めを迎えていた」などがあります。

「めでたく収まる」という意味での類語

「大団円」の類語として「めでたく収まる」という意味で、「有終の美」「丸く収まる」があります。「有終の美」は最後が立派であること、「丸く収まる」は円満に解決する様子という意味を表す言葉です。

「大切り」「大詰め」との違いは、めでたい、良い形で、というニュアンスが入ってくることでしょう。例文としては、「○○選手は有終の美を飾る決勝打を放った」「自分が頷くことですべて丸く収まるだろう」などがあります。

「最終のこと」という意味での反対語

「大団円」の「最終のこと」という意味での反対語には、最終の反対の意味である最初を表す「開幕」「プロローグ」があります。

「開幕」は、時期がきて物事が始まること、舞台の幕が開き見世物が始まること、「プロローグ」は、事件の発端、演劇の序章のこと、小説における前置きの部分、という意味の言葉です。

例文には「地方大会が開幕した」「その日その日を人生のプロローグだと思って生きる」などがあります。

「めでたく収まる」という意味での反対語

「大団円」の「めでたく収まる」という意味での反対語には、悪い終わり方をする意味の「悲劇」や「バッドエンド」があります。

「悲劇」は、痛ましい出来事・困難な状況に追い込まれ不幸な結末をたどる劇、「バッドエンド」は、物語で不幸が訪れる結末、という意味の言葉です。

例文は「村には狼に襲われた悲劇の歴史がある」「二人の気持ちがすれ違ったまま終わるためバッドエンドという印象が残った」などがあります。

「大団円」の英語表現

「大団円」の英語表現は、「a fairy-tale ending」です。「happy end」でも問題ありませんが、お伽話のようなハッピーエンドという意味の「a fairy-tale ending」を使うと良いでしょう。

<例文>

  • It started out boisterous, but it was a fairy-tale ending.
    最初は騒々しかったが、大団円となった。
  • 黄色い付箋を持っている手

    「大団円」の英語表現もこの機会に覚えておきましょう

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「大団円」は、大変見事に解決する場面という意味があることからビジネスシーンでも、「前述部分で困難なことがあったが」「最終的には良い内容にまとまった」という使い方が可能です。

最終的に良い結末を迎えられた時は、「大団円となった」「大団円でしたね」などと言っても良いでしょう。「最終のこと」「めでたく収まる」という類語も含め、「大団円」の意味や使い方を理解しましょう。