JR東日本は15日、次世代の公共交通を支える交通手段として、BRT専用大型自動運転バスを製作したと発表した。今後は本格的な自動運転の実用化に向け、自動運転のレベル3認証取得をめざし、走行試験を実施する。

  • BRT専用大型自動運転バスの外観(JR東日本提供)

BRT専用大型自動運転バスは、BRT線区での自動運転の実用化を見据え、BRTで現在使用している大型ハイブリッドバスを改造した車両となる。専用道で自車位置を特定するための磁気センサーシステムや、RFID(Radio Frequency Identifier)リーダーを車底部に搭載するほか、GNSSアンテナも屋根上に搭載。自動運転中における周囲360度の障害物等の検知ができるように、LiDAR(Light Detection and Ranging)センサー、ミリ波センサー、各種カメラを搭載している

自動運転レベル3認証取得に向けた機能として、自動運転モードから手動運転モードにいつでも切り替えられるようにドライバーの状態を常時監視するドライバーモニター機能をはじめ、自動運転モードでの作動状態を常時記録する作動状態記録機能、自動運転モードから手動運転モードに切り替わる必要があるとシステムが判断した際に警報音でドライバーに引継ぎを要求する引継ぎ要求機能、システム不具合やODD(Operational Design Domain)範囲外の状態になった際にシステムが安全に停止するMRM(Minimum Risk Maneuver)制御機能、自動運転システムの状態を常時ドライバーが確認できるHMI(Human Machine Interface)機能を搭載する。

  • BRT専用大型自動運転バスに搭載された各種センサー(JR東日本提供)

  • 走行試験区間(JR東日本提供)

走行試験では、今回製作したBRT専用大型自動運転バスを用いた本格的な実用化に向けて、60km/h走行やトンネル内走行を含む専用道での自動運転レベル3認証の取得をめざす。今年度は1月18日から3月15日までの期間、気仙沼線BRT柳津~陸前横山間においてトンネル内走行や車線維持制御等の走行試験を実施。2021年夏には、気仙沼線BRT柳津~陸前横山間にて地域住民を対象としたBRT専用大型自動運転バスの試乗会を予定しており、詳細は決まり次第、告知される。