前期はランキング戦1組で優勝の羽生九段。今期は果たして

第34期竜王戦1組ランキング戦(主催:読売新聞社)の1回戦、▲羽生善治九段-△佐々木勇気七段戦が1月15日に東京・将棋連盟で行われています。

前期は1組で優勝した羽生九段。決勝トーナメントでは梶浦宏孝六段を破って挑戦者決定三番勝負に進出し、丸山忠久九段を2勝1敗で下してタイトル挑戦を決めました。しかし、七番勝負では豊島将之竜王相手に1勝4敗で敗退。タイトル獲得100期達成とはなりませんでした。再び挑戦者になり、タイトルを獲得すべく再スタートです。

佐々木七段は前期2組の優勝者。決勝トーナメントでは初戦で久保利明九段に敗れてしまいました。

両者の対戦成績は佐々木七段の1勝0敗。唯一の対戦は2016年の第42期棋王戦本戦1回戦でした。ここで勝利した佐々木五段(当時)は挑戦者決定二番勝負まで進むも、千田翔太五段(当時)に敗れて挑戦権獲得とはなりませんでした。

本局は振り駒の結果、羽生九段が先手となり、角換わりの将棋となりました。羽生九段が▲4五桂速攻を見せたため、佐々木七段は△5二金と上がって用心。近年の主流は△6二金型ですが、それに組むよりも速攻を防ぐ方がよいという考えでしょう。

速攻を封じられた羽生九段は駒組みへと移行し、▲2九飛・▲4八金型を構築しました。一方の佐々木七段も手損にはなりますが、△6二金型に組み替えています。このまま待機戦術を採るのでしょうか。

本局の勝者は次戦で永瀬拓矢王座と対戦します。1敗までは許され、3勝すれば決勝トーナメントへ進出できる1組。両者は今期どのような戦いを見せてくれるでしょうか。

第33期竜王戦七番勝負第2局の羽生九段(提供:日本将棋連盟)
第33期竜王戦七番勝負第2局の羽生九段(提供:日本将棋連盟)