静岡朝日テレビ制作の特別番組『池上彰が緊急取材! どうなる!? リニア新幹線』(仮題)が24日、テレビ朝日系列24局ネットで全国放送される。ジャーナリスト・池上彰氏が自ら現地に足を運び、リニア新幹線の現状を取材した。
電力と磁力によって車体を浮かせて走る超電導リニアは半世紀以上の時間をかけて研究・開発が進められ、リニア中央新幹線の建設も始まっている。開業すれば品川駅から名古屋駅まで40分で結ばれ、移動時間の大幅な短縮、莫大な経済波及効果、日本技術の世界への広がりなどが期待されるものの、予定されていた2027年の開業が非常に難しい状況となった。「南アルプスを源流とする大井川の水が、トンネル工事によって減ることへの恐れ」から、静岡県が工事を認めておらず、このことが大きな影響を及ぼしているという。
「リニア新幹線は順調に工事が進んでいると思っている人が意外に多いのですが、地方によって受け止め方は異なります」と池上氏。今回、超電導リニアに初乗車し、東京・北品川の工事現場にも潜入するなど、独自の視点で取材を行った。「日本の技術力の高さを改めて確認しました。速度が500キロを超えると、いかにも『高速で走っている』という疾走感を持ちました」と語った上で、「ワクワクする人もいるでしょうし、『ここまで急ぐ必要があるのか』と思う人もいることでしょう」とコメントしている。
実験線が走る山梨県笛吹市の桃農園では、工事の影響で農業用水の水源だった川が枯渇。補償として貯水タンクが設置されたものの、補償期間は30年間に限られ、以降は自己負担になるという。「ちゃんと勉強しなければダメだった」と当事者は振り返る。番組では、全国各地で街頭インタビューを実施したほか、リニア問題の解決を模索するさまざまな動きも取材。「水問題の解決」「リニアの必要性」「開業延期の明確化」の3つの観点から、池上氏が現場取材で感じた解決の糸口を披露する。「それぞれの立場も知った上で、リニアの未来について考えてもらえれば」(池上氏)とのこと。
『池上彰が緊急取材! どうなる!? リニア新幹線』(仮題)は1月24日の13時55分から15時20分まで、テレビ朝日系列24局ネットで全国放送。池上氏をはじめ、土屋礼央さん、ファーストサマーウイカさん、別所哲也さん、川島明さん(麒麟)がゲストで出演し、静岡朝日テレビの佐野伶莉アナウンサーが進行を担当する。落合福嗣さんがナレーターを務めることも決定した。