テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2021』(毎週日曜4:30~)では、若年性認知症の男性と家族に密着した『追憶 働き盛り襲う認知症』(長崎文化放送制作)を、10日に放送する。

  • 溝上文徳さん(左)と妻・由佳さん

「若年性認知症」は、65歳未満で発症する認知症のこと。その一種である「前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがた・にんちしょう)」は、若年性認知症の中でアルツハイマー型、血管性認知症に次いで約1割を占める。思考や判断力、感情などを司る「前頭葉」と、語や記憶、聴覚などを司る「側頭葉」が委縮することで発症する指定難病だ。

40~60代の若年層に多く、行動の異常や人格の変化、言語障害などがみられる。国内では10万人当たり約10~13人の確率で発症。患者は1万数千人。番組では、若年性認知症の一種「前頭側頭型認知症」を発症した長崎市の溝上文徳さんと、その家族を取材した。

文徳さんは当初うつ病と誤診され、症状に合った内服や支援を早い段階から得られなかった。「性格が変わる」「感情の鈍麻」「常同行動」などあまり知られていない諸症状に家族は惑い、病の診断に2年以上の歳月を要した。有効な治療法もなく、つらい思いを抱えながら寄り添う妻・由佳さんら家族で支える日々を追った。

毎日決まった時間に決まった行為をすることへのこだわりや、社会的関心の狭小化、理性や判断力の低下、同じ話を繰り返す「オルゴール語り」など特有の諸症状が出現する。

自分が病気であるという自覚がない「病識の欠如」も代表的な症状のひとつだが、ある日、文徳さんが初めて“自らの病”について語り始める…。