ビジネスやスポーツなどにおける厳しい場面で「満身創痍」という言葉が使われます。
満身創痍とはどういう意味の言葉なのでしょうか。今回は満身創痍という言葉を使いこなせるよう、例文や使い方とともにご紹介します。
「満身創痍」とは? 意味と由来
ここでは、「満身創痍」の意味と由来を紹介します。
「満身創痍」の意味
満身創痍とは、「全身傷だらけでボロボロな状態」「痛めつけられた状態」を指します。意味を言葉通りに捉えると、「全身に外傷がある状態」ですが、現代では「精神的に苦痛を受けている状態」を指すこともあります。読みは「まんしんそうい」。
「満身創痍」の由来
満身創痍の満身とは「全身」を指します。あまり馴染みのない漢字ですが、「創」「痍」はどちらも「傷」を表す漢字です。しかし由来や語源は特にないと言われています。
「満身創痍」の使い方・例文
満身創痍の使用例として、「会議で集中砲火を浴び、満身創痍だ」「満身創痍の上司は客先から逃げ出すように帰社した」「このチームのメンバーは満身創痍である。よってもう新規業務は受けられない」などがあります。
大人になると「もう疲れました」とは言いにくいものです。また、上司のことを指して「あの方は疲れている」とは言えません。満身創痍という言葉に置き換えて表現するとよいでしょう。
「満身創痍」の類語・言い換え表現
ここでは満身創痍と似た意味を持つ「半死半生」「疲労困憊」などの言葉をご紹介します。円滑なコミュニケーションをとるためにも、意味を確認し、正しく使い分けられるようにしましょう。
半死半生
半死半生(はんしはんしょう)の意味は、「今にも死んでしまいそうな状態」「やっと生きている状態」です。「半死半生の目に合う」などと使います。漢字の通り、半ば死に、半ば生きているという状態を表す言葉です。生死の境目にいるほどの大変な状況を表しています。
ビジネスシーンでは、難航した外回りや、批判を浴びた打ち合わせなどから帰社した際に使用できる言葉です。上司への報告で「半死半生の目に遭いました」と言えば、自分がどれだけ大変な状態だったか、すぐに伝わることでしょう。
疲労困憊
疲労困憊(ひろうこんぱい)の意味は、「疲れて苦しむこと」「疲れ果てること」です。「徹夜で仕事をして疲労困憊する」などと使用します。
困憊という言葉は普段あまり使いませんが、「疲れ切ること」「疲れて弱ること」など疲労と似たような意味があります。「困憊する」「困憊しきる」などと単体でも使用できます。
「満身創痍」の対義語
対義語についても確認し、語彙を増やしていきましょう。満身創痍には「平穏無事」「無病息災」などの対義語があります。
語彙力を増やすことでビジネスパーソンとしての表現力や説得力が身につきます。言葉をうまく使い分けて活用し、会議などを有利に進められるようにしましょう。
平穏無事
平穏無事(へいおんぶじ)の意味は「変わったことがないさま」「穏やかなさま」です。平穏も無事も同じような意味の言葉であり、重ねて使用することで意味を強調しています。
ビジネスシーンでは、「気がかりだった仕事が平穏無事に終わりほっとした」という使い方ができます。
無病息災
無病息災(むびょうそくさい)の意味は、「病気がなく健康であること」「元気であること」です。お守りに書いてある言葉として見たことがある方が多いのではないでしょうか。
息災は日常生活であまり使わない言葉ですが、こちらも「元気なこと」という意味です。過去にお世話になった上司や関係者に「おかげさまで息災に暮らしております」と言えば、自分や家族が元気に暮らしていることを丁寧に伝達できます。
目上の方からの手紙の返事に迷った際は、「息災で何よりです」という文章も使えます。相手が元気でうれしいという気持ちが伝わることでしょう。
「満身創痍」の英語表現
日本語の四字熟語を完全に一致する英語に訳すことは困難です。満身創痍をあえて表すとすれば「exhausted」などの単語を使います。
be completely exhausted
「ヘロヘロ、ヘトヘト」という意味があります。「完全に」を表すcompletelyに、「消耗した」「使い尽くされた」を表すexhaustedを重ねています。1つの熟語として流れで覚えておくといいでしょう。
be worn out
「ぼろぼろになる」「疲れ果てた」「擦り切れた」「痩せ衰えた」「精も根も尽きた」という意味です。物や服に対しても使えますが、人が疲れてしまったという意味合いでも使用できます。
「満身創痍」の意味や使い方を覚えておこう
以上、満身創痍の意味や文例についてご紹介してきました。語彙力を高めることで、コミュニケーションスキルを向上させることができます。少しずつでも、知らない言葉と出会ったときには、検索をしたり辞書を広げたりして、言葉の意味や使い方を理解していくといいでしょう。