ダンスで開く、子育ての明るい扉。「子育ても仕事も、同じお皿に入れて考える。」

ーー産後、お仕事の復帰はどのようにされていましたか?

篠崎
ひとりめのときは、生後3ヵ月半から稽古場に連れていきました。どうしても出たい公演があったので、それをきっかけに復帰時期を決めた感じです。稽古場は床もやわらかくて広いので、意外と赤ちゃんに優しい環境だというのも新発見でした。ダンスを生業としていたけれど出産を機に引退した、という方も以前は多かったのですが、わたしの世代くらいからは少しずつ変わってきているように思います。とはいえ、赤ちゃんを連れて稽古場に来るダンサーは、当時はわたしぐらいしかいませんでした。

ーー赤ちゃんを連れながらのお稽古はいかがでしたか。

篠崎
自分ではそんなつもりはなかったのですが、ある日、代表の伊藤千枝子さんに、「罪悪感はいらないよ。踊りに表れてしまっているから、罪悪感を持つことをやめて」とはっきり言われて、はっとしました。言われてみれば、メンバーや子どもや夫に対して、知らず知らずのうちに負い目を感じてしまい、「すみません」が口癖になっていたんですよね。