閑話休題という言葉は、ビジネスシーンでは時折目にする四字熟語です。意味を知らない人にとっては、前後関係から意味を推測するのも難しいでしょう。本記事の解説を参考に、閑話休題の意味を正しく理解し、自分でも社会人らしく使いこなせるようになりましょう。

閑話休題の意味

「閑話休題」は「それはさておき」という意味の接続詞として使われる言葉です。「閑話」は閑(ひま)な話、「休題」は「題(い)うことを休(や)めよ」、つまりは「ひま話はやめよう」という意味になります。読みは「かんわきゅうだい」。

  • 抱き合ってはしゃいでいる女の子

    「閑話休題」について学んでいきましょう

閑話休題の使い方

本旨からずれた無駄話をしているときなど、本旨に戻すために「閑話休題」を置きます。特に手紙やメールなどの文章の中で使われます。

「閑話休題」は、接続詞として「閑話休題、」のように記述し、読点の後に本旨を続けて記述することもあれば、「閑話休題。」のように句点で一区切りし、新たに本旨を記述することもあります。

  • 2人の子どもがお絵かき楽しむ様子

    どのようなシーンで使えるかを想像してみましょう

閑話休題を使うときの注意点

「閑話休題」を間違った意味で使っている方も多いので注意が必要です。間違って使っている方の多くが、「本題から外れる」ことの合図として使っています。

「閑話休題」の本来の使い方は、筋から外れている話から本題に入るときの接続詞なため、まったく逆の使い方になってしまいます。閑話休題より前に戯言、後に本題という順序をしっかり覚えておきましょう。

  • 目深に帽子をかぶる子ども

    注意点はおさえましょう

閑話休題の類語

「閑話休題」を接続詞として使いたい状況でも、周囲の方が「閑話休題」という言葉を理解してくれなさそうなときには類語に置き換えてみましょう。

それはさておき

「それはさておき」は「閑話休題」の類語としてそのまま置き換えて使えます。ただし、相手に伝わるニュアンスが変わる場合もあるため、場面を見極めて使いましょう。

たとえば、雑談のあと会議をあらためて開始する場合は、「閑話休題、本日の打ち合わせをそろそろ始めましょう」とも「それはさておき、そろそろ本日の打ち合わせを始めましょう」とも言えます。

兎にも角にも

「兎にも角にも」や「ともかく」、「それはともかく」なども「閑話休題」の類語として使えます。

雑談で盛り上がっているところを本題に移りたい場合、「閑話休題、本題を始めましょう」とも「兎にも角にも本題に移りましょう」とも言えます。同様に、「それはともかく、そろそろ本題に移りましょうか」といった使い方も自然です。

ところで

「ところで」も話を切り替えられるため、「閑話休題」の類語として使えます。

雑談の後、「閑話休題、本題に移りましょう」は、「ところで、そろそろ本題に移りましょう」のように言い換えると伝わりやすいでしょう。

それはそうと

「それはそうと」は「それはさておき」とほぼ同義の接続詞なため、「閑話休題」の類語としても適切です。

本旨とは関係ない内容を話したあと、「閑話休題、本日の議題についてですが~」と「それはそうと、本日の議題についてですが~」とでは、どちらも違和感なく話題の切り替えがスムーズにできます。

  • 手帳にメモを取る様子

    「閑話休題」の類義語も使いましょう

閑話休題の対義語

「閑話休題」の対義語となるのは、「本題を話した後で余談に移る」ための接続詞となる言葉です。対義語も覚えておくと、会話の中で使えるボキャブラリーが増え、会話の幅も広がります。

ここでは、「閑話休題」の対義語とその使い方を覚えましょう。

余談ですが

「余談ですが」は、「ここから先に話す内容は余談ですよ」という宣言になります。そのため「余談ですが」は「閑話休題」の対義語として使えます。

本題を話し終わった後で、「余談ですが、〇〇部長が異動になるそうです」と語れば、部長の異動についての話は本題ではないことになります。

ちなみに

「ちなみに」は前の話を受けて続ける言葉ですが、本旨とは別の話題を出してくることになります。

「ちなみに」は補足情報として使われ「ついでに言うと」というニュアンスが含まれています。「〇〇会社では年末年始は稼働するそうです。ちなみに僕は今年の年末年始も通常通り休暇です」のように使えます。

  • 数人が話し合いをしている様子

    「閑話休題」の対義語を理解し使い方に気を付けましょう

閑話休題の英語表現

「閑話休題」と同じように余談から本題への切り替えを英語で行うときには、「now」や「well」が使われます。「now」が使われることの方が多く、wellの方が少しかしこまった使い方です。

  • Now, let’s go to the next step.
    閑話休題、次の段階へ進みましょう。

nowをwellに置き換えてもほぼ同じ意味になります。

  • パソコンを見ながら何かを指差している様子

    英語での使い方も覚えておき海外とのコミュニケーションも円滑にしましょう

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ビジネスの場では、まじめな話だけしていればよいというわけでなく、緩急の話題を切り替えながらスムーズに話を進めていくことも重要です。場を温めるための余談と本題とをスムーズに切り替えられる「閑話休題」という言葉とその類語・対義語を覚え、円滑なコミュニケーションに役立てていきましょう。