前回の「通年で売れた加湿空気清浄機、一番人気はスリムなシャープ『KI-NS40』」に引き続き、今回はビックカメラ新宿西口店にパソコンの売れ筋を尋ねました。
同店のPCコーナーを担当する市澤朋弥氏は、コロナ禍はパソコンの売れ筋トレンドにあまり大きな影響を与えていないと語ります。「リモート需要が増大して、インカメラを重視して選ぶ方は明らかに増えました。しかし、もともと売れ筋モデルはどれもインカメラを標準搭載していますからね。もともと趣味や仕事の利用でも必要なスペックはひと通りそろっているモデルが人気を集めていて、今もそこは変わっていません」
ただし、新生活シーズンの販売ピークは新型コロナの影響で前倒しになっているとのこと。「例年は、新生活が始まった4月以降に買いに来る方が多いのですが、2020年はオンライン授業やリモートワークが必須となる流れになった2~3月から買われる方が増えました」とのことで、2021年もこの傾向は繰り返されそうです。
では「購入時のポイント3箇条」を踏まえて、直近のパソコン売れ筋トップ5を見ていきましょう。
- CPUはCore i5以上/Ryzen 5以上、メモリーは8GB以上がメインで長く使うための目安になる。
- カラーバリエーションが豊富になっているので、売り場では天板のデザインや質感もチェックしたい。
- 画面の色味やキーボードの入力感、端子類の配置も確かめたうえでベターなモデルを選びたい。
※本文と写真で掲載している価格は、2020年12月9日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:Ryzen 7&Office搭載で10万円切りの「IdeaPad L340」
一番人気になっていたのは、レノボ・ジャパンの15.6型据え置きノート「IdeaPad L340(81LW002PJP)」でした。量販店オリジナル仕様のモデルで、Ryzen 7と8GBメモリー、256GB SSD、DVDスーパーマルチドライブを内蔵しています。オフィスソフトは、日本マイクロソフトの「Office Home & Business 2019」をプリインストールしており、価格は税込み94,800円となります。
「8GBメモリーでRyzen 5以上、マイクロソフトオフィスも付いているということで、仕事用にもファミリー用にも人気がある定番ですね。一家に一台のパソコンとして5~6年使える仕様ながら、10万円を切るコストパフォーマンスの高さが魅力だと思います」
第2位:モバイルノートの標準的な地位に立つ「Surface Pro 7」
続く2位は、日本マイクロソフトの「Surface Pro 7」。12.3型液晶を搭載したWindowsタブレットで、別売りのタイプカバーとセットで使うと2in1ノートになります。特に売れているのは、Core i5と8GBメモリーを内蔵した128GB SSDモデル「VDV-00014」と、256GB SSDモデル「PUV-00014」で、税込み価格は順に131,780円と153,780円でした。ともにOffice Home and Business 2019をプリインストールしています。
「4年間使うメインPCとして買われていく学生さんや、モバイル用途で使い込むビジネスパーソンに選ばれる定番ですね。タイプカバーとセットで買われていくケースがほとんどです」
第3位:光沢液晶がファミリー層に好評な「LAVIE N15」
3位は、15.6型液晶を搭載するNECの据え置きノート「LAVIE N15」。特に、量販店オリジナルモデルとなる「N1536AZW-2」が好評を博しているそうです。Ryzen 3と8GBメモリー、512GB SSDとDVDスーパーマルチドライブを搭載し、Office Home & Business 2019も標準で使えます。取材時の税込み価格は104,800円でした。
「1位のIdeaPad L340(81LW002PJP)に比べてCPUの性能は落ちますが、ストレージは大容量になっています。加えて、写真や動画がよりきれいに見える光沢液晶を採用しているので、ファミリー層に安定して支持されていますね。1位や2位と比べてもファミリー需要が高めのモデルといえます」
第4位:より割り切ったモバイル需要で人気の「Surface Go 2」
4位は、再び日本マイクロソフト純正モデルです。10.5型液晶を採用したWindowsタブレット「Surface Go 2」で、Pentium Goldと8GBメモリー、128GB SSDを内蔵した「STQ-00012」の税込み価格は85,580円でした。Office Home and Business 2019もプリインストールしています。
「メインPCを持っているがモバイル用のサブとして使う、といったように、Surface Pro 7よりも割り切った使い方を想定して買われる方が多いです。メインPCとして使いたいけれど価格を抑えたい、という学生さんもいますね。タイプカバーを一緒に購入しても10万円を切る価格で、しかもマイクロソフトオフィスも使える、というのはやはり魅力です」
第5位:Chromebookの人気もじわり上昇「IdeaPad Duet Chromebook」
5位には、非Windowsモデルがランクインしました。Googleの「Chrome OS」を採用したレノボ・ジャパンの2in1パソコン「IdeaPad Duet Chromebook(ZA6F0038JP)」で、取材時の価格は税込み34,980円でした。CPUはMediaTek Helioで、4GBメモリーと128GB SSDを搭載。キーボードは着脱式となっています。
「プログラミング教育が始まるということで、子ども用のパソコンとして買われていく方が多いですね。Windowsパソコンではありませんが、キーボード入力ができますし、ネットやオフィスソフトなどひと通りのことができます。低価格なこともあり、Surface Go 2のような“割り切りサブ機”として購入するビジネスパーソンもいらっしゃいますね」
はみ出し情報……ゲーム用途も「IdeaPad Gaming 350i」などスリムモデルが人気
ランキング外の人気モデルとして、ゲーミングPCとして売れている製品も尋ねました。市澤氏が挙げたのは、レノボ・ジャパンの15.6型据え置きノート「IdeaPad Gaming 350i」。売れ筋の「81Y40053JP」は、Core i7とグラフィックスチップのGeForce GTX 1660Ti、8GBメモリーと256GB SSD、1TB HDDを内蔵し、税込み124,930円で売られていました。オフィススイートは非搭載です。
「これ以上のスペックになると、一般的に筐体が分厚くなってホームモバイルも厳しくなるので、これくらいのバランスが好まれることが多いように思います。別途オフィスを加えてメインPCにする方もいらっしゃいます」