電動アシスト機能を搭載したスポーツ自転車を「e-BIKE」と呼びます。一般的なシティサイクルと比べて軽快な走りが楽しめるe-BIKE、ロードバイクやクロスバイクは通学や通勤用の自転車としても人気です。
一方で、ちょっとハードルが高くなるのがe-MTB(マウンテンバイク)でしょう。オフロードを疾走するのはマウンテンバイクの醍醐味ですが、特に都市部はコースも限られます。そこで、電動アシスト付きのe-MTBに興味がある人にぜひ体験してほしいのが、熊本県「道の駅 阿蘇」で申し込める阿蘇サイクリングです。一般の人が入れない草原ライドをガイド付きで楽しめるほか、パナソニック製e-MTBのレンタルサービス(有料)もあります。今回、阿蘇市役所 観光課の協力を受けて、阿蘇サイクリングツアーを体験してきました。
e-BIKEだから体力に自信がなくても遊べる!
参加したのは、道の駅 阿蘇のホームページから申し込める「草原ライド(MTB)」プラン。大きく2種類あり、MTBビギナー向け「ビギナーズMTB牧野ライド」と、中級者以上が楽しめる「ガッツリ牧野クロカンリーツーリング」です。どちらもだいたい5時間前後のツアーで、最少催行人数は2名。料金はビギナーコースで2~4人なら1人当たり6,000円です。これに牧野保全料の1,000円と、必要に応じてe-MTBのレンタル料金などがかかります。各プランとも最大8人までの参加が可能です。
今回のプレスツアーでは、MTB中級者以上と初心者に分かれて、それぞれライドを楽しむことに。普段はママチャリしか乗らない筆者はもちろん初心者コースです。
料金に「牧野保全料」が追加されることからわかるように、この草原ライドは阿蘇の牧野組合と連携することによって、普段は一般人が立ち入れない牧野を走れます。現地に行けば体験できるというものではなく、予約が必須、ガイドの同伴が必須という特別感あるライドです。牧野はとにかく広いこともあり、ほかのグループと会うこともなく悠々と走り回れました。普段の草原ライドでも、ほかのグループとすれ違うことはほとんどないそうです。
エリア内なら「あっちの尾根を走ってみたい」「ダウンヒルを楽しみたい」「最初は優しいコースから」といったリクエストができるなど、とにかく自由に走れるんです。牧野だけにエリアが広く、しかもどの位置でも周りを見渡せば絶景! この広々とした美しさは牧野ならでは。
この草原ライド、電動アシスト機能付きのe-MTBをレンタルしてよかった……。牧野の草原には下りがあれば上りもあります。正直、仕事中は机から一歩も動かない運動不足の筆者では、長時間の上り坂をクリアできるとは思えません。プレスツアーでライドしたのは2時間くらいでしたが(本来のツアーは約5時間)、電動アシスト機能がなかったら筆者は体力的に1時間も乗れなかったと断言できます。
70万円のe-Bikeも試し乗り
阿蘇サイクリングツアーではパナソニックのe-BIKEがレンタルできる関係から、今回は2020年8月に発売されたフラッグシップモデルの「XM-D2 V」を試乗することもできました。基本性能は2019年発売の「XM-D2」とほぼ同じですが、カラーをプラチナムメタリックシルバーに変更。さらに、新しくドロッパーシートポストを採用しています。
XM-D2 Vは残念ながらレンタル対象ではないのですが、メーカー希望小売価格が701,800円(税込)の高級モデルいうことで、並み居るプレスも興味深々でテストライド。MTB初心者の筆者としては、最初からこれに乗らせてほしかった! ダブルサスペンションで牧野のあちこちにある草の塊に突っ込んでも、車体がガタガタ揺れません。XM1だと「ちょっと怖いな」と思うようなデコボコした急角度の下り坂も、XM-D2 Vなら意外なほど怖さを感じずに楽しく下ることができます。正直、初心者にこそ乗ってほしいe-BIKEです。
コースはすべてオーダーメイド! 観光だってできちゃう
「道の駅 阿蘇」で申し込める阿蘇サイクリングは、基本的にオーダーメイド方式。時間内なら自転車を借りたまま市内を観光することも可能とのこと。阿蘇は火山の恵みである温泉がたくさん湧いていますし、あか牛や馬刺しなど食べ物も美味! 草原ライドを予約するときは、ぜひ観光も楽しんでください。