毎年楽しみなボーナスの季節。しかし今年はコロナ禍の影響を受け、そもそもボーナスが出るかどうか、出たとしてもわずかではないか、と不安な方も多いでしょう。
特に社会人になったばかりの20代だと、自由なお金も貯金もそこまで多くない状況で、影響を大きく受けるかもしれません。大幅に収入が減った今こそ、お金のことをしっかり考えたいもの。今回、『#ミレニアル世代のお金のリアル』著者の横川楓さんに、さまざまな「ボーナスが減った時の対処法」を全5回かけてお話を伺います。
第5回は、貯金だけでなく投資も始めたいと考える方からの質問です。
――元手となるお金は多くないのですが、ミレニアル世代なりのお金の増やし方ってありますか?
第1回目でお話しした通り、貯金や投資を目指す前に、まずは土台となる「防災袋のようなお金」を作っておくことが大事です。さらにお金を増やしたいとときは、「どうやって入ってくるお金を増やすか」を考えましょう。昇進や転職、副業、そして投資といったお金の増やし方を、どう組み合わせるかがポイントです。
副業解禁の流れや、インターネットの普及や新しいサービス・制度の登場で投資のハードルが下がったりと、本業とは別に副業や投資といったプラスアルファでお金を生み出す仕組みはたくさんあります。これらを同時進行しやすい状況というのが、今のミレニアル世代の強みですね。
――なんとなく投資に興味があるんですが、まずは何から始めればいいですか?
いきなり「投資をしてお金を増やそう!」と思い立っても、何からやればいいかも、何を勉強すればいいかもわからないですよね。また、元手が減るリスクを考えると、手を出しにくいという人もいるでしょう。そういった方の投資の第一歩におすすめしたいのが、少額から始められる「つみたてNISA」です。
「つみたてNISA」は、年間40万円まで積み立て形式で投資信託を購入できる制度です。購入できる信託投資は、金融庁の基準を満たした投資商品だけなので、膨大な数から選ぶ必要がありません。また、投資で得た利益に対して税金がかからないので、利益をそのまま受け取れるメリットも。証券会社によっては、月100円程度から始めることができます。もちろん金額が少なければ増える金額も少額ですが、ペットボトルを1本我慢するくらいの金額で手軽に投資が始められます。
また投資を始めようと思ったときによく耳にする制度に「iDeCo」があります。これは自分で投資商品を選べるものの、投資したお金は原則60歳まで受け取ることはできません。また、毎月最低でも5,000円必要で、つみたてNISAよりもややハードルが高い投資です。掛金全額が所得控除になるなど経済的なメリットはありますが、iDeCoは投資というよりも、老後まで動かせない「年金」に近いイメージです。貯金やつみたてNISAなどをしつつ、さらに老後のために備える余裕があるなら始めるものと考えていいでしょう。
――20代で投資を始めるメリットってありますか?
早いうちから投資を始めると、複利の恩恵を受けられ、さらに毎月投資にかけるお金が少なくても時間をかけて増やしやすいメリットがあります。
「複利」というのは、投資で得た利益を再度投資することで、雪だるま方式で利益を増やすことができます。雪だるまを作る時、1メートル転がすよりも、5メートル転がしたほうが雪が蓄積されて大きな雪玉が作れますよね。
また、投資にかける時間が長いほうが有利であることは、貯金も同じです。200万円を目標に毎月お金を貯めたり投資で増やそうと思ったときに、40歳から50歳まで10年間で達成させるのと、20歳から50歳まで30年間かけるのとでは、毎月必要な金額は後者のほうが低く済みます。
早い時期から長く続けることで、より気楽に、負担が少なく投資をしていくことができるのです。
筆者プロフィール: 横川楓(よこかわかえで)
1990年東京都生まれ。明治大学卒、同大学院を経て、経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得。唯一のミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として、“お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく”をモットーに活動している。著書『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)が好評発売中。
Twitter:@yokokawakaede
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