毎年楽しみなボーナスの季節。しかし今年はコロナ禍の影響を受け、そもそもボーナスが出るかどうか、出たとしてもわずかではないか、と不安な方も多いでしょう。

特に社会人になったばかりの20代だと、自由なお金も貯金もそこまで多くない状況で、影響を大きく受けるかもしれません。大幅に収入が減った今こそ、お金のことをしっかり考えたいもの。今回、『#ミレニアル世代のお金のリアル』著者の横川楓さんに、さまざまな「ボーナスが減った時の対処法」を全5回かけてお話を伺います。

今回の質問、こちら。ボーナスが大幅にカットされそうという話を聞いて、家計の見直しや貯金を始めたい方の質問です。

  • 質問「今年のボーナス、まったく出ないか、出てもほんの僅かだと聞いて不安です。来年もボーナスが出るかわからないし、家計の見直しや貯金をしたいけど、まず何をすればよいでしょうか?」

――収入が少なくなったとき、まず何を見直せばよいでしょうか?

そもそもボーナスというのは、あくまで臨時の収入です。クレジットカードでもボーナス払いという払い方がありますが、ボーナスに頼って普段の収支のバランスを整えるようなお金の使い方はNGです。

収入が少ないなら支出を減らす必要がありますが、家賃や通信費、水道光熱費といったいわゆる固定費を減らすにしても、これらは基本的に「明日からやめよう」と思ってすぐにできるものではありません。引っ越し代や携帯電話の解約費など、今の契約をやめて新しい契約をするために、さらに出費が伴うこともあります。

現実的に考えると、日々の細かな出費を見直していくことが先決。自分がどんなことにどのくらいお金を使っているのか把握するために、家計簿アプリなどを使ってお金の出入りをしっかり管理していきましょう。

――新型コロナウイルスの影響はすぐに収まりそうにないですよね。これからさらに収入が減る可能性もありますし、不安がないよう備えておきたいです。

今回のコロナ禍の状況のように、この先またいつ経済に大きな影響を与える出来事があるかはわかりません。削れるところは削り、手元に残るお金を増やしていく必要があります。

まだまだ続くコロナ禍で少しでも安心感を増やすためにも、そして将来別の影響で経済的な打撃を受けても落ち着いていられるように、生活に困ったときしか使わない「防災袋のようなお金」を最低限貯めていくようにしましょう。目安としては、最低でも手取り収入の3ヵ月分くらいです。将来のために使う意味合いで貯めるのではなく、防災袋のお金は絶対に崩さないと考えてください。このお金に手を付けずにやりくりして、そこからどんどんお金を増やしていくイメージです。

  • 将来の不安に備えて、「防災袋のようなお金」を作りましょう

――でも、今の収入で毎月何万円も貯金をするのはしんどいし、結局続きません。貯め続けるコツはありますか?

ボーナスも期待できないのに、いきなり手取り3ヵ月分を貯めようと思っても、なかなか難しいのが現実ですよね。よく「月数万円は貯金に回しましょう」なんて言われますが、今の時代に毎月何万円と決めて貯金をしていくのもなかなか厳しいです。

最低限の生活費はある程度決まっていたとしても、飲み会や結婚式、どうしても欲しいものなど、その時々で流動的な出費は変わります。決まった金額を先取りして貯金し、残ったお金で生活を回す方法をすれば間違いなくお金が貯まりますが、今しかできない急なイベントへの出費に対応できない可能性もあります。

お金を貯めるにあたって何よりも怖いことは、上手くいかずにモチベーションが下がり、継続した貯金ができなくなること。「今月は臨時の出費が多いから、先月よりも少なめの貯金額でもOK」といったように、月いくらというハードルを決めず、柔軟性を持って貯めることが大切です。「どんな金額でも、お金を貯められて偉い!」と自分をほめながら、少額からでも必ず貯める習慣をつけていきましょう。

次回は、「ボーナス減で生活費が足りなくなってしまった場合」の質問に答える予定です。

筆者プロフィール: 横川楓(よこかわかえで)

1990年東京都生まれ。明治大学卒、同大学院を経て、経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得。唯一のミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として、“お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく”をモットーに活動している。著書『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)が好評発売中。
Twitter:@yokokawakaede
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