吸引力の強さで定評のある日立グローバルライフソリューションズのコードレススティック掃除機「パワーブーストサイクロン」。アタッチメントが豊富で家じゅう掃除でき、ヘッドはLEDライト付きでゴミが見えやすいなど、着々と進化していますが、2020年8月に発売された「PV-BH900H」は、ダストケースのゴミも捨てやすくなり、さらに使いやすさが強化されています。
家電の専門家が使い倒す「注目のコードレス掃除機」10台チェック | ||
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テスト紹介 | アイリスオーヤマ SBD-E4P |
エレクトロラックス Pure Q9 |
シャークニンジャ CS401 |
シャープ EC-AR5 |
ダイソン Dyson Digital SLIM |
東芝ライフスタイル VC-CL1700 |
パナソニック MC-SBU840K |
バルミューダ BALMUDA THE CLEANER |
日立GLS PV-BH900H |
三菱電機 HC-JD2X |
本体の重さは1.9kg、ハンディ時は1.3kgと、日常で軽々と使えます。標準モードで連続40分稼働するので、床掃除はもちろん、アタッチメントを使って棚やエアコンの上など家じゅうを余裕で掃除できそう。ダストケースの集じん容量0.25Lも、コードレススティック掃除機の中では大きめです。
- 本体サイズ(スティック時):幅268×奥行き255×高さ1,024mm
- 本体重量:約1.9kg
- 連続使用時間:標準約40分、強約8分
- 集じん容積:0.25L
- 実勢価格(2020年12月下旬):55,000円前後(税込)
運転モードは標準モードと強モードがあり、それぞれ5秒間吸引力をアップする「ターボ」を搭載。吸引テストは強モードで行っています。
掃除力は?
フローリング
仮想ゴミ:猫砂(直径約5mmサイズ)、重曹、人毛(40cm~45cm程度、1回につき20本)
フローリング吸引テスト(ヘッド往路後)
ヘッドを一度前に進めただけですが、両端のラインが感動するほどキレイになっています。猫砂が少し残っているため、満点とは言えませんが、重曹はほとんど残っていません。
フローリング吸引テスト(壁ぎわ2秒吸引後)
壁ぎわをチェックすると、こちらもきれいになっていました。ヘッドの前面を壁に付けたとき、前側から底面へ空気が流れる独自の「きわぴた構造」が功を奏しているのがわかります。
フローリング吸引テスト(ヘッド往復後)
日立の掃除機は押したときだけでなく、引いたときもゴミを吸う「パワフルスマートヘッド」を採用。押すときは前のフラップが開いて大きなゴミを吸引し、引くときは後ろもフラップが開いて後方のゴミを吸引する仕組みになっています。その機能が働いたこともあってか、往復後は全メーカーの中でもっともキレイになっていました。この仕上がりには一同驚き。床は磨かれたようにピカピカです。
前後のフラップが同期して開閉し、押しても引いてもゴミを吸い取る「ダブルシンクロフラップ」。ブラシには、ふき専用の毛も採用しているため、フローリングもピカピカに磨き上げてくれます。
カーペット吸引テスト(ヘッド往復後)
仮想ゴミ:猫砂(直径約5mmサイズ)、重曹、人毛(40cm~45cm程度、1回につき20本)
カーペットの掃除でも、抜群の吸引力を発揮。全体に白っぽさがなく、カーペットの色がひときわ濃く見えます。重曹との境目もラインもキレイです。
吸引テスト総評
吸引力の強さに加え、押しても引いてもゴミを吸引するヘッドの効果で、フローリングもカーペットも驚くほどきれいになりました。この結果は、今回取り上げた各メーカーの19製品の中でトップクラス。メイン掃除機として、十分に活躍してくれるでしょう。
掃除時短の重要ポイント、メンテナンスのしやすさ
ヘッドのメンテナンス
ブラシを見てみると、髪の毛がほぼまんべんなく絡まっていることがわかります。取り除くのが面倒そうですが、ブラシ自体はヘッドの手前にあるレバーを引くと簡単に取り外せました。
ゴミ捨て方法
1)ゴミ箱の上で、青いレバーを引くとフタが開いてゴミが落ちる
ゴミ捨ても超簡単。手元にある青いレバーを引くだけで、フタがパカッと開きます。ゴミ自体も圧縮されているうえ、フィルターに髪の毛が絡まない「からまんプレス構造」を採用しているため、ゴミも残っていません。また、本体からダストケースを取り外してゴミを捨ててもOKです。
購入の決め手? 使い勝手
日立パワーブーストサイクロンの特徴として、ヘッドだけでなくハンディにもLEDライトを搭載。暗い場所でもゴミがよく見え、ゴミの取りこぼしが防げます。壁ぎわをLEDライトで照らすとホコリが溜まっているのがよく見えるので、見なかったことにはできませんね(笑)。
充電台
充電台は、高い位置で引っかけるタイプ。豊富なアタッチメントがすべてセットできるので、使いたいときに別の場所まで取りに行く手間がありません。ただ、アタッチメントが多いぶん、ごちゃごちゃした雰囲気になり、利便性を取るか見た目を取るか、好みは分かれそう。
付属品
上の左が2WAYすき間ブラシ、右がほうきブラシ、下の左がスマートホース、右がミニパワーヘッド。ほか、ハンディに付けっぱなし使えるハンディーブラスが付属。ほうきブラシは、引き出しの中のホコリだけ吸い取ってくれる優れもの。
日立のコードレススティック掃除機は、もともと吸引力が強いと定評がありましたが、ここまで優秀だとは思いませんでした。本体自体も重くないうえ、自走式なのでさらに軽々操作でき、なのにこの吸引力。ゴミが跡形もなく消えたときの爽快感は半端ありません。ゴミ捨ても片手でポンと圧縮されて落ちてくるし、LEDライトで見やすいし、小物が多い引き出しも掃除できるアタッチメントもあるし、掃除のときに感じるストレスをていねいに解決してくれている感じ。悩ましいのは、充電台のごちゃごちゃ感ですが、私自身、アタッチメントの管理ができないタイプなので、これが最適解なのかもしれない……とも思います。クセがなく、とにかくゴミを吸ってくれる掃除機はどれ? と聞かれたら、迷わずおすすめしたい掃除機です。
掃除性能で選ぶならコレ、とおすすめできるクリーナーです。今回の比較テストでも優秀で、大小のゴミをよく吸っていました。ヘッドに搭載されているLEDライトはとても明るく、ゴミをよく照らしてくれるので取りこぼしもありません。軽量で使いやすいのですが、実際に家庭の中で試すと、軽すぎるヘッドが浮きやすく、イスまわりなどの細かいところが掃除しにくいと感じました。ダストケースの構造もよくできており、他社製品よりもゴミや髪の毛がスルッと落ちて、いつもキレイな状態を保てます。充電台にアタッチメントを収納できるのは便利ですが、見た目がとても生活感あふれる感じになってしまうので、好みが分かれそう。
テスト結果からもわかるように、掃除性能の高さでは今回の10製品でトップレベル。掃除性能だけではなく、ヘッドに搭載されたLEDライトや、ワンタッチでゴミが捨てられる点など、使いやすさもよく考えられています。ヘッドの幅が比較的広く、一度に広い面の掃除ができる点も個人的に好みです。少し気になったのは、付属品をすべてむき出しで充電台にセットするため、付属品にホコリが付きやすいこと。掃除機本体は、パワーも使いやすさも大きな不満はありません。掃除力の強い掃除機を探しているなら、必ず候補に入れてほしい製品です。