東芝ライフスタイルの「トルネオVコードレス VC-CL1700」は、他社製品と比較して比較的ゴミの吸い込み幅がワイドで、一度に広範囲を掃除できます。また、ヘッドが軽くて自走式なので、走行が重くなりがちな絨毯上でも軽い力でヘッドが進んでストレスがありません。排気フィルターの目詰まりを抑え、吸引力が99%以上持続する「バーティカルトルネードシステム」も特徴です。
家電の専門家が使い倒す「注目のコードレス掃除機」10台チェック | ||
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テスト紹介 | アイリスオーヤマ SBD-E4P |
エレクトロラックス Pure Q9 |
シャークニンジャ CS401 |
シャープ EC-AR5 |
ダイソン Dyson Digital SLIM |
東芝ライフスタイル VC-CL1700 |
パナソニック MC-SBU840K |
バルミューダ BALMUDA THE CLEANER |
日立GLS PV-BH900H |
三菱電機 HC-JD2X |
突出したオリジナル機能はないものの、使用時間が標準で30~35分、おまかせで約8分~20分。充電スタンドはなく、電源プラグを本体に差して充電します。
- 本体サイズ(スティック時):幅266×奥行き210×高さ1,060mm
- 本体重量:約1.8kg
- 連続使用時間:標準30~35分、強約8分、おまかせ約8~20分
- 集じん容積:0.15L
- 実勢価格(2020年12月下旬):45,000円前後(税込)
「おまかせ・切」ボタンか「標準・強」ボタンで運転開始、「おまかせ・切」ボタンで運転ストップです。運転中に「標準・強」ボタンを押すとモードが変わります。吸引テストは強モードで行っています。
掃除力は?
フローリング
仮想ゴミ:猫砂(直径約5mmサイズ)、重曹、人毛(40cm~45cm程度、1回につき20本)
フローリング吸引テスト(ヘッド往路後)
重曹、猫砂ともに残ってしまっています。ヘッドにブラシを内蔵する掃除機は、ヘッドを引いたときにより強く吸い取る傾向があるのですが、他社製品と比較して取りこぼしが多くありました。両端に車輪のような跡も残ってます。ただ、ブラシ幅が大きいので、一度に吸い取れる範囲は他社製品よりも広くなっています。
フローリング吸引テスト(壁ぎわ2秒吸引後)
重曹が全体的に残り、猫砂がパラパラと落ちていました。真ん中は比較的吸えているものの、両端に猫砂などが残りがちです。
フローリング吸引テスト(ヘッド往復後)
タイヤの跡は、ヘッドを往復しても残りました。猫砂は全体的に少し残り、重曹は掃除したヘッドの両端を取り切れませんでした。フローリングの溝にも重曹が残っています。ヘッドの幅が広いので、ムラなく全体的にもう少し吸引力が欲しいところ。ヘッドを持ち上げたときにパラパラとゴミが落ちることがある点も気になりました。
カーペット吸引テスト(ヘッド往復後)
仮想ゴミ:猫砂(直径約5mmサイズ)、重曹、人毛(40cm~45cm程度、1回につき20本)
ヘッドを往復させたカーペットは、全体的にゴミが残ってしまっています。猫砂の上にヘッドが乗り上げ、ヘッドが浮いて吸引力が落ちている印象です。猫砂はだいたい吸引しましたが、ポツポツと取り残しがありました。フローリングと同じように、ヘッド両端の通り道で重曹が多く残っています。
吸引テスト総評
カーペットもフローリングも、特にヘッドの両端でゴミを残していますが、内側も重曹のザラザラした感じがあり、猫砂も完全には吸い取れていません。また、持ち上げたときにゴミがヘッドから落ちるのも気になりました。今回は大量の仮想ゴミを撒いたテストだったので得手不得手がはっきり出てしまいましたが、一般的な量のホコリなどは十分に吸い取れます。ヘッドの横幅が広くてブラシも大きいため、一度に掃除できる範囲も広く、短時間で掃除が終わりそうです。
掃除時短の重要ポイント、メンテナンスのしやすさ
ヘッドのメンテナンス
ブラシに髪の毛が巻き付いていました。髪の長い家族がいる場合は、こまめなメンテナンスが必要となりそうです。重曹などの付着は気になりませんでした。
ゴミ捨て方法
1)ダストカップを取り外す
2)回して開ける
3)ダストカップをひっくり返して捨てる
ダストカップに表記された「しまる」「ひらく」などがわかりやすく、ゴミ捨ては迷わずできました。ただ、本体からの取り外し、装着に時間がかかることも。ダストボックスが他社製品よりも少し大きめなので、回して開けるときに手が小さい女性だとやりにくいかもしれません。ダストカップ内でゴミを圧縮するので、溜まったゴミがポロッと落ちましたが、髪の毛は絡まりやすいようです。
購入の決め手? 使い勝手
ハンドルがカーブを描いているので、使う人のラクな角度で握ることができます。低い位置の掃除、高い場所の掃除も、持ちやすい位置を自分で決められるのは使いやすく感じました。
ヘッドは大きめですが、小回りがよく、狭い場所もスイスイと掃除できます。ハンディにしても取り回しがしやすく、床だけでなく棚などもスティッククリーナーで掃除したい人におすすめです。また、本体底面に滑り止めゴムがあり、掃除の合間にちょっと何かを片付けたいときなど、本体を壁に立てかけておけます(あくまで一時的な立てかけ用)。
付属品
付属品は左から、すき間ノズル、丸ブラシ、ふとん用ブラシ。
充電スタンドは付属していません。電源プラグを本体に差して充電します。電源コードの見た目や本体の置き場所を考えると、普段は目立たない場所で充電して、掃除するときに持ってくる使い方がよさそうです。
ヘッドの幅が広く、広い場所の掃除に向いています。短時間で一気に掃除できるので、家をまとめて掃除することが多い人にもぴったり。持ち手は握りやすく、安定感があります。今回、吸引テストで特に気になったのが猫砂(大きめのゴミを想定)です。猫砂の上にヘッドが乗り上げるような状態になり、掃除後も猫砂が散らばっていました。また、電源プラグを掃除のたびに抜き差しするのは少々面倒なので、将来的なモデルでは充電スタンドの採用を期待します。
目詰まりするサイクロン部のフィルターをなくした「フィルターレスサイクロン構造」を搭載。強力な気流でゴミも圧縮するので、ドーナツのようなゴミがポタっと落ちる様子は見ていて楽しいものがあります。自然な動きで掃除ができ、ゴミセンサーも搭載していますが、デザインを含め機能的にも目新しさが感じられなかったのが残念でした。
ハンドル形状がよく考えられており、どんな体勢でもしっかりホールドできる安定感が気に入りました。充電のたびに電源プラグを差し込むのは少々面倒に感じます。ゴミ捨て時にホコリが舞いがちな製品が多いなか、VC-CL1700は吸い込みの風圧でゴミを1/3ほどの塊に圧縮して溜めるため、ゴミ捨てで周りを汚しません。突出した性能はないけれど、必要な機能と性能を備えた堅実な掃除機という印象です。