スマートフォンの情報漏えいが危惧されています。会社の機密情報から個人のクレジットカード情報まで、一時的であるにせよ多種多様なデータがスマートフォンに保存されていますから、それが悪意の第三者に渡ったらと心配になるのも無理はありません。実際、その手の情報漏えいに関する事件は増加しています。

iPhoneも例外ではなく、WEBサイトやサードパーティー製アプリからの情報漏えいは他人事ではありません。しかし、アプリに関していえば、Appleは既に取り組みを開始しています。

iOS 14.3では、App Storeで公開されるアプリにプライバシー情報が表示されるようになりました。アプリの詳細画面を表示して下方向へスクロールすると、「Appのプライバシー」項目が現れます。そこでは「ユーザのトラッキングに使用されるデータ」や「ユーザに関連付けられたデータ」といったカテゴリごとに、アプリが収集する可能性があるデータ種を示されます。

たとえば「財務情報」は支払情報やクレジット情報を、「連絡先情報」は名前やメールアドレスを意味します。それらのデータはハッシュ化(第3者に知られないようデータを適当に見せること)されることもあるため、データ収集の可能性が即具体的な被害につながるとは限りませんが、アプリをダウンロードするときの判断基準になることは確かでしょう。

なお、アプリがデータ収集を行うことは、App Storeに提出し審査を受けるにあたっての必須事項となりました。2020年12月8日以降に公開されたアプリは、新規/アップデートの別なく「Appのプライバシー」が表示されます。もっとも、まったくデータを収集しないアプリ(「データの収集なし」と表示される)も多数あるため、それほど身構える必要はありません。

  • 2020年12月以降「Appのプライバシー」が表示されるようになりました