シンガーソングライターの米津玄師が、日本テレビ系ニュース番組『news zero』(毎週月~木曜23:00~、金曜23:30~)の新テーマ曲を書き下ろすことが24日、明らかになった。1月4日の放送で初披露される。
めったにメディアに登場しない米津だが、『news zero』ではこれまで、今年8月の有働由美子キャスターとの対談など、継続的に取材を続けてきた。現代社会や、ニュースで伝えられるさまざまな出来事に対して、「本当は白と黒だとか善と悪だとか、そういう単純な対立に回収できるようなものではない、いろんなグラデーションがあるはず」という思いを抱いていたと語る。
そんな思いを込めて書き下ろす新曲は、今まさに制作中。「夢と現実の間を反復する」ことがテーマの新曲になると予告されている。
米津、有働のコメントは、以下のとおり。
■米津玄師
今回の曲に関していうと「夢と現実の間を反復する」っていう曲にしたいなと思っていて。現実のある意味むなしい出来事だったり、怒りを感じるようなことだったり、見渡してみるとそういうものがいくらでもころがっている。残酷なまでの「現実」と、そこから対極にある「安らかな夢の中」、その夢と現実の間を反復しながら生きていくというのが、自分にとってはものすごく大事なんじゃないかという風に思っていて。
夜のニュースを見てそのあと眠りにつくじゃないですか。どういう風に眠りにつくかは人によって違うと思いますけど、少なくとも自分は「安らかな空間」というものが生きていく上で必要不可欠だった人間なので、自分と同じような人間もいくらかいるだろうと。共感してもらえたらありがたいかなと思います。
■有働由美子
米津さんの作る曲には、表に文字として現れる歌詞のその奥に、いつも深い意味と、想い、そして祈りが、込められていると感じています。
今年コロナのさなか、インタビューさせていただいたとき、ご自分の心にこれほど逃げずに向き合う方がいるのかと少し驚きました。だからこそなのか、米津さんから生まれてくる言葉は、悲しいことを語るときもなにか祈りのように聞こえる気がしています。
私たちが日々伝えているニュースは、表は、現象と見えますが、そのひとつひとつに幾人もの物語りが存在し、いろんな思いが交錯して、発生しています。
悲しいニュースも許しがたいニュースも嬉しいニュースも。
米津さんが作ってくださる曲、聞かせていただくのが楽しみで仕方ありませんし、毎晩どんなつらいニュースが並んでも、最後には米津さんの曲が待っていると思うと、心穏やかになれる気がします。
米津さんの曲と一緒に、『news zero』もまた一歩前に進めればと思います。