情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan)は12月24日、「「ニューノーマルにおけるテレワークとITサプライチェーンのセキュリティ実態調査」:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、テレワークの実施状況、ルール策定状況、テレワーク実施に伴う業務委託に関する不安事項などの調査結果を発表した。有効回答者数は2,372名で、大規模企業から中小規模まで含まれている。

  • テレワークにおける実施およびルール策定の状況、実施に伴う業務委託に関する不安に関する調査結果

    テレワークにおける実施およびルール策定の状況、実施に伴う業務委託に関する不安に関する調査結果

主な調査結果は次のとおり。

  • テレワーク実施企業の約6割が緊急事態宣言以降にテレワークを導入
  • テレワーク実施企業の5割強が週3回以上のテレワークを実施
  • テレワーク実施者の99%以上が自宅からテレワークを実施
  • 緊急事態宣言以降にWeb会議ツールの使用が急増
  • 頻度の高いテレワーク実施者は、セキュリティインシデント発生時にマニュアルが参照できないことに不安を感じやすい
  • 頻度の低いテレワーク実施者は、セキュリティインシデント発生時の対処方法がわからないことに不安を感じやすい
  • テレワークの実施で6割が不安を感じている(端末の盗難や紛失、情報漏洩など)
  • テレワークの普及で取引先とコミュニケーションが取りにくくなったと感じている人が多い

IPAは、業務環境の変化に対応するためのセキュリティ対策の確認が必要としており、「テレワークを行う際のセキュリティ上の注意事項:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」、「Web会議サービスを使用する際のセキュリティ上の注意事項:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」などのドキュメントを参考にすることを勧めている。

新型コロナウイルス感染症はこれまで当局が進めてきた働き方改革で重要なポジションを占めるテレワークを一気に普及させるきっかけとなった。テレワークを経験した企業の多くが緊急事態宣言後もテレワークを継続している。しかし、急速に利用が進んだことでセキュリティ対策や社員教育が追いついていない現状もある。体制を整え、適切なセキュリティ対策を取り続けることが望まれる。