誰にとっても大変だった1年が、まもなく終わる。だからこそ、もうこれ以上、大変なことにならないよう“変態”には十分に気を付けたい。もちろん、大真面目な話である。

すっかり冬は深まり、ちょっと前に比べて陽が沈むのも随分早くなった。そして、まもなく年末年始のホリデーシーズンへと突入する。例年と違って、感染症予防で出歩く人が減る代わりに、不審者が活動しやすい環境が生まれてしまうことが懸念される。

人目が少なくなった夕方の公園で、またはいつも以上に人気(ひとけ)の減った夜道で、はたまた帰省先のガランとした公道で、何者かが密かに犯罪の機会をうかがっているかもしれない。

だからこそ、この時期は特にみんなで役立てたいものがある。Yahoo! MAPアプリが提供する機能「防犯マップ」だ。

一目で不審者情報などがわかる! 防犯マップの使い方とその精度

ご存知の人も多いと思うが、Yahoo! MAPの防犯マップ機能は、なかなか大きくニュースで取り上げられないような、我々の身近な場所で発生する不審者情報などをYahoo! MAP上で確認できる機能である。

今回は機能を理解しやすいよう、防犯マップ機能の初期立ち上げメンバーである、ヤフー株式会社でMAPサービス企画を担当する青木昌一さんに話を聞いた。

「防犯マップ機能を使えば、事件が発生した場所に事件の種類に応じたアイコンがYahoo! MAP上に現れるので、タップすれば詳細が確認できます。Yahoo! MAPに自宅を登録すると、自宅付近の不審者情報を確認できるようにもなるので便利です」

使い方は、実に簡単だ。

  • まずはYahoo! MAPアプリを開き、右上の地図切り替えボタンをタップ

  • 続いて「安心・便利な地図情報」の中にある、「防犯マップ」をタップ。すると付近の不審者情報がアイコンで表示される

  • アイコンはそれぞれの事案ごとに「暴力行為」「わいせつ」「不審者」など、9種類で分類。どんな事案が発生したのか、一目瞭然だ

  • そして、出てきたアイコンをタップすると……

  • 発生した事件の詳細情報が確認できる

  • さらに、気になるエリアにマップ画面を動かし、「このエリアで検索」(再読み込み)をタップすれば、表示がその周辺情報へと更新される

「『不審者情報センター』より24時間以内に登録された全国の情報が防犯マップ上に反映されるので、自宅付近はもちろん、遠くへ出かける場合や帰省する場合などでも、地図をスクロールするだけで最近の周辺情報を確認できます」

わざわざ出先のニュースや自治体情報を検索する手間が省ける。これは実に便利である。

「不審者情報のソースは、全国の警察本部や県警、自治体などが地元の住民向けに出している防犯情報を『不審者情報センター』に集約。それに緯度・経度を付けて、住所とともに、目印になりやすい『○○小学校付近』などといった補足情報も付与して公開しています」

これらの情報はすべて、一般住民などから確実に届け出があり、かつ警察や自治体が「これは住民に教えるべきだ」と判断した案件ばかり。つまり、不審者情報はいずれも確実な情報ばかりで、デマやガセは極めて少ない。

防犯マップ機能が実際に役立ってきたケースとは

防犯マップ機能がリリースされてから約2年が立つが、これまで具体的にどう役立てられてきたのか。

「主婦の方であれば、お子さんの通学路の確認ですね。やはりご家族の身の回りの安全を確認しているケースが目立ちます。女性などの場合も、仕事やアルバイトの帰りは夜道を歩くことが多いので、『この道は不審者情報が出ているから避けようかな』と、安全性の向上に役立っているとお聞きしています」

防犯マップ機能が開発された裏には、開発チームのメンバーが経験した、ちょっとした恐怖体験があったそうだ。

「当時、サービス開発の責任者が関西から東京に引っ越してきたばかりだったのですが、夜に目黒川を歩いていると、見知らぬ方に話掛けられたそうです。しかも慣れない土地でしたから、より恐怖を感じたと聞きました。そんな実体験からも、『防犯情報が地図で見ることができたら安心するよね』と話したことが開発のキッカケになっています」

この年末年始はいつも以上に気を引き締めよう!

確かに、転勤先などの見知らぬ土地の治安には誰もが疎い。しかし、防犯マップでは、全国どこでも瞬時に一覧できる。不審者情報はもちろん、熊やイノシシなどの動物の目撃情報まで登録されているので、この年末年始に、やむを得ず地方への帰省などを考えている人に大いに役立ちそうだ。

女性や子ども、高齢者に比べ、成人男性は狙われにくいから危機感が薄いかもしれない。強盗や暴力行為、痴漢などはまだわかりやすいが、例えば不審者が子どもに「一緒に遊ぼうよ」「お菓子をあげるからついておいで」などと“声かけ”し、連れ去ってしまう犯罪も後を絶たない。

こうした犯罪は、ひとりひとりが目配りし、適切な対処(通報を含む)を取りつつ、みんなで不審者情報などをシェアして防止していかなければならない。特に外出を自粛する人が増えれば、街から監視役の目も減ってしまう。この年末年始は例年以上に気を引き締めて、気持ちよく新年を迎えよう。