Microsoftのフライトシミュレータ「Microsoft Flight Simulator」がVR (拡張現実)ヘッドセットに対応した。12月22日に配信が始まった無料アップデート (Sim Update 2)で利用できるようになる。

「Flight Simulator」は、自分の好きな飛行機を操作して世界中を自由に飛び回れる。1979年から続くフライトシミュレータの定番。今年8月に、14年ぶりの新作として登場した「Microsoft Flight Simulator」では、MicrosoftのBingが持つ豊富な衛星画像データともとにAIを用いて3Dモデルを自動生成。高精度な空港や建物、美しい自然や街並みを楽しめる。

  • VRモードの「Microsoft Flight Simulator」

    「深い没入感のあるバーチャルフライト体験を提供します」とMicrosoft

顔の動きでコックピットから周囲を見渡せるVRは、Flight Simulatorの醍醐味である飛行の「リアリズム (realism)」「精度 (accuracy )」「真実性 (authenticity)」に近づける。Microsoftが7月にVR対応を公表した時には、HP、Valveと共同で開発したWindows Mixed Realityヘッドセット「HP Reverb G2」からサポートするとしていたが、正式版のリリースではReverb G2のほか、「HP Reverb G1」と「Samsung Odyssey+」が推奨ヘッドセットになっており、それらでは各デバイスに最適化されたフライト体験を楽しめる。さらにOpenXR互換になっており、他のほとんどのWindows Mixed Realityヘッドセットでも利用可能、Oculus、SteamVRプラットフォームにも対応するなど、最初のリリースから多くのVRヘッドセットをサポートする。

  • 顔を動かして周囲を見渡せるVRモード

    後ろを振り向いて(右上)、操縦席から客席を確認

モードの切り替えは「Ctrl+Tab」。通常モードとVRモードではグラフィックス設定が異なるが、モードの切り替えと共にグラフィックス設定も自動的にスイッチする。スぺースバーでリセンター(正面位置をリセット)。モーションコントローラを使った操作には対応していない。

VRを利用するためのPCの最低システム条件は以下の通り。

  • OS: Windows 10 (November 2019 Update – 1909)
  • DirectX: DirectX 11
  • CPU: Intel i5-8400と同等
  • GPU: NVIDIA GTX 1080と同等 (VRAM: 8GB)
  • RAM: 16GB
  • HDD: 150GB
  • 帯域幅: 5Mbps

推奨スペックは、CPUがIntel i9-9900Kと同等、GPUがNVIDIA RTX 2080 Tiと同等、VRAM 11GB、RAM 32GB、帯域幅 20Mbpsとなっている。

Sim Update 2では新コンテンツの追加も行われた。Airbus A320neoで離着陸する2つのトレーニングミッションが加わり、Spotlight EventでAirbus A320neoによる着陸に挑戦できる。現実の天気を反映させる機能がmateoblueのデータで向上。雪や氷で覆われる気象を含む。年末イベントとして、世界の象徴的な12のランドマークをホリデーイルミネーションでデコレーション。それらの場所を探す「Holiday Scavenger Hunt」が始まった。発見された場所は、@MSFSOfficialで確認できる。