50代になるとそろそろ気になってくるのが老後のこと。老後に向けて貯蓄はしているものの、本当にこれで大丈夫なのか不安に思っている人もいるのではないでしょうか。そこで、平均貯蓄額をチェックした上で、自分にとって今何ができるのかを考えていきましょう。

  • 50代の平均貯金額はいくら? 年収別も紹介

    50代の平均貯金額はいくら? 年収別も紹介

50代の平均収入はいくら?

まだまだ先だと思っていた定年まであと10年を切り、老後の生活について真剣に考え始めるのが50代ではないでしょうか。年金だけでは生活ができないのは分かっていても、実際どれくらい貯蓄があったら安心して老後の生活を送れるのか分からなかったら心配ですね。

世の中の50代はどれくらい貯蓄をしているのかも気になるところです。そこで、50代の平均貯蓄額を収入別にチェックしてみましょう。

「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」を利用して50歳代で分析していきます。

出展 : 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)

この調査では、50代で収入が「500~750万円未満」と回答している人が196の実数で一番多くなっています。その収入の人の中で「金融資産非保有」と回答した人を除くと、金融資産保有率で一番多く占めているのが「1,000万円~1,500万円」が13.2%、次いで「700~1,000万未満」が9.6%となっています。 2番目の、収入が「300~500万円未満」の人の実数は128で、その金融資産保有率で一番多いのが「700~1,000万円」で11.7%、次いで「200~300万円未満」が9.4%となっています。

平均貯蓄額を収入別にチェック

次に50代の収入別金融資産保有額の平均と中央値をそれぞれ見ていきましょう。

  • 出展 : 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より筆者作表

    出展 : 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より筆者作表

収入なし……平均633万円、中央値300万円
年収300万円未満……平均540万円、中央値0万円
年収300~500万円未満……平均555万円、中央値210万円
年収500~750万円未満……平均892万円、中央値480万円
年収750~1,000万円未満……平均1,564万円、中央値1,300万円
年収1,000~1,200万円未満……平均1,664万円、中央値1,020万円
年収1,200万円以上……平均3,616万円、中央値2,200万円

「平均値」とは貯蓄がある世帯とない生体を合わせた平均貯蓄額のことで、「中央値」とは貯蓄がある世帯順に並べた時に、ちょうど真ん中にくる世帯の貯蓄額のことをいいます。中央値の方が現実に近い数値になることが多いです。 もし、自分の数字と比べるなら中央値を参考にするといいでしょう。

老後のため今できること

50代の平均貯蓄額を見て、どう思いましたか? 「平均より多く貯められている」という人もいれば、「同じくらいの収入なのにそんなに貯まっていない」という人もいるでしょう。

どんな老後生活を送りたいか

2019年6月に金融庁の「市場ワーキング・グループ」が公表した「老後は2000万円必要」という報告書が話題になりました。でも、退職までの間にいくら貯めたらいいかは、どのような老後生活を送りたいかによって変わってきます。

例えば、毎年海外旅行に行きたいという人と郊外でのんびり暮らしたいという人では、老後に必要な金額が違ってきます。また、持ち家か賃貸かによっても違います。家をリフォームする予定があるか、車はあと何回買い替えるか、孫の教育費は援助してあげたいか、など自分の夢や希望を考えてそれに伴う支出を計算してみてください。

老後の収入と支出を計算する

夫が40年間厚生年金に加入し、妻が専業主婦の場合、夫婦2人の公的年金は月額約22万円と試算されています。一方、総務省の「家計調査報告家計収支編(2018年調査)」によると、高齢無職世帯の1カ月あたりの支出額は約26万円となっており、公的年金だけでは毎月4万円不足するということになります。

老後に必要なお金は、「退職後に入ってくるお金(年金、退職金、貯蓄の合計)-退職後に出ていくお金(生活費、特別費の合計)」で計算することができます。この計算で不足している金額を今から退職までの間に貯めていけばいいのです。

不足分を貯めていく方法

50代になって、子供の教育資金がいらなくなったり住宅ローンの返済が終わったりした時に、今まで支払っていた金額をないものとしてそのまま貯蓄に回していきましょう。

50代から貯めていくというと、「あと10年も貯める時間がない」と思うかもしれませんが、60歳までに貯めないといけないわけではありません。退職後すぐは、今まで貯めていたお金や退職金を生活資金に回すことができるので、50代から貯めるお金もある程度長期的に貯めていくことが可能です。

長期的に貯めていく場合に気をつけないといけないことはインフレです。元本保証だからといって銀行の積立預金で貯めていった場合、10年後にもしインフレ率が積立預金の金利を上回っていた場合、お金は目減りしていることになります。ですから、インフレに強い金融商品で積み立てしていくことをおすすめします。

インフレに強いお金の貯め方の一つに投資信託があります。投資信託は元本保証ではありませんが、毎月同じ金額を積み立てることで平均的な金額で積み立てしていくことができ、リスクを抑えて運用することが可能です。

まとめ

定年後は収入がなくなるか、再就職をしても減少することが予想されます。老後の資金を貯めるのは50代の今が最後のチャンスです。豊かな老後生活を送るためにも50代の今、できることからやっていきましょう。