12月10日、Ankerのオーディオブランド「Soundcore」から、ベストセラーBluetoothスピーカーの最新モデル「Soundcore 3」が発売されました。従来機種のSoundcore 2を愛用していた筆者にとっては寝耳に水の出来事。今回アンカー・ジャパンのご厚意でこの新モデルを試用できたので、比較しつつレビューしていこうと思います。
Bluetoothスピーカーといえばさまざまなブランドからさまざまな製品が展開される激戦区ですが、その中でも、これまで筆者が愛用してきたSoundcore 2はコストパフォーマンスで競合を一切寄せ付けない素晴らしい製品でした。コンパクトな見た目からは想像もできないほどパワフルなサウンドで、24時間使用できる大容量バッテリーを搭載。IPX7防水に対応し、お風呂やキッチンなど場所を問わず気軽に使えるところがポイントです。しかもAmazon.co.jpでたったの4,999円(税込)で販売されているとあれば、競合他社製品の出る幕はなかなかありません。ちなみに、新モデルは1,000円値上がりして5,999円(税込)になりました。
Soundcore 3はブラック1色の展開となっており、旧モデルにラインナップされていたブルーとレッドは今のところありません。いずれもかわいいカラバリだったので、新モデルにも展開されるといいなと思います。また、旧モデルではメッシュに大きく「ANKER」と印字されていましたが、新モデルでは中央下部に小さく「soundcore」のエンブレムが付いています。
なんといっても充電端子がType-Cになった点は見逃せません。いちいち開閉するのが億劫だったカバーもなくなり、スッキリした印象です。なお、旧モデルでは充電用のmicroB端子の上に3.5mmステレオミニジャックを備えており、オーディオの有線入力をサポートしていましたが、新モデルではBluetoothのみとなっています。普段はBluetooth接続で音楽再生や動画視聴に使い、スマホで音ゲーするときは有線で接続する、というような使い方をしていた場合は不便かもしれません。
天面を見たところ、再生ボタンのデザインが変わっています。デザインとしてはシンプルで格好良いですが、指に触れるアイコンが小さいため押しにくい…というのはイチャモンでしょうか。旧モデルはボタンが固くて押しにくかったですが、新モデルでは若干押し心地が改善されています。ボディの素材はサラサラしたシリコンで手触りは良いですが、案外指紋がつきやすくて結構目立つので、防水性能を活かしてザブザブ洗いましょう。また、左側面にはストラップホールが新設され、吊り下げて使うこともできるようになりました。
というわけで、iPhoneをつないで音楽を聴いてみます。取扱説明書を見なくても、手さぐりで電源を入れてBluetoothボタンを長押しするとペアリングを待ち受け、すんなりiPhoneと接続できました。音響面でのスペックとしては、新しく40kHzまでの再生周波数帯域を備えたチタニウムドライバーを搭載し、最大出力16Wに強化されたサウンドを楽しめるとのこと。
この製品の圧倒的なコストパフォーマンスを支える音質は、新モデルでも健在です。旧モデル同様パワフルな低音再生のおかげで音に厚みがあり、低価格なスピーカーにありがちなチープな感じは全くしません。さらに、チタンドライバーの採用によるものか、中高域がかなりクリアになった印象で、旧モデルよりも解像感が増しているように感じます。旧モデルも素晴らしい製品だと思って愛用してきましたが、新モデルではさらに完成度を高めてきた印象です。
本体ハードウェアも刷新されましたが、Ankerがスマートフォン向けに提供しているアプリ「Soundcore」に対応した点も大きなトピックです。アプリではイコライザーのカスタマイズや低音を増強するBassUp、本体ファームウェアのアップデートや自動電源オフの設定を行えます。個人的にはBassUpを有効化し、イコライザーはプリセットの「バランス」を選択するのが好みでした。
旧モデルも用途によっては全然アリ
防水仕様の直方体型スピーカーとして絶大なコストパフォーマンスを備え、圧倒的な人気を誇った旧モデルから、チタンドライバーの搭載でさらに音質を高めた新モデル。スマートデバイス充電機器メーカーとして、充電端子にしっかりUSB Type-Cを採用してきたほか、アプリでイコライザのカスタムや細かい設定にも対応しました。ただ実売価格が4,999円から5,999円へと値上がりしたほか、音声の有線入力はできなくなりました。
新モデルの音質は確かに向上しましたが、個人的には旧モデルも全然アリ。最強コスパで有線入力も使える旧モデルか、音質を高めた新モデルか、悩ましい選択になりそうです。