これまでクセの強いキャラクターの数々を演じてきた俳優の中村倫也が、きょう22日に最終回を迎えるTBS系火曜ドラマ『この恋あたためますか』(毎週火曜22:00~)では、クールでスマートなイケメン・浅羽拓実を好演。ドSっぷりと、たまに見せる優しさ、また、森七菜演じる主人公・井上樹木によって引き出されていく新たな一面など、さまざまな顔を見事に表現している。
中村は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018)でゆるふわイケメン“マアくん”こと朝井正人役でお茶の間の人気者に。TBS『凪のお暇』(2019)では、主人公・凪(黒木華)が引っ越したアパートの隣人・ゴン役を演じ、出会うすべての女子が彼を好きになってしまう人たらしという役どころで、視聴者を魅了した。
ゆるふわキャラだけでなく、テレビ朝日『ホリデイラブ』(2018)では、モラハラ夫・井筒渡役を怪演。日本テレビ『美食探偵 明智五郎』(2020)では、超変わり者の探偵・明智五郎役を演じインパクトを放った。こう振り返っても、やはりクセの強いキャラクターが印象に残っている。
『恋あた』では、クールでスマートなコンビニ社長役に挑戦。SNS上では「眼鏡スーツかっこよすぎ!」「スーツ×メガネ×中村倫也=最強」「中村倫也くんのこんなコテコテのラブストーリーは新鮮だー!」「浅羽拓実という正統派の相手役をつとめてることが嬉しい!!」といった声が見られ、新たな魅力で視聴者を釘付けに。また、「キキといるときに見せるいろんな表情が好き」「心の機微を表現するのが最高に上手い」「複雑な心境を表現する演技力が抜群」などと、巧みな演技力に魅せられている人も多い。
『凪のお暇』のプロデュースも手掛けた中井芳彦プロデューサーは、「『凪のお暇』で初めてご一緒したのですが、すごく色気のある方だなと感じました」と中村の印象を説明。「中村さんは今まで直球のラブストーリーをやったことがないと聞いたので、ぜひお願いしたいと思っていました」と起用理由を明かした。
そして、「もともとコンビニスイーツの話にしたいと決めていて、コンビニの店員さんと誰のラブストーリーがいいだろうと考えたときに、社長が面白いそうだと思いました」と、設定としても社長がいいと考えた中井氏。報道局で記者をしていたときに、いろいろな企業の社長に会う機会があり、「そこで出会った経験もドラマに生かしたい」という思いもあった。
中村演じる浅羽には、実際に中井氏が会った社長たちのキャラクターが投影されているという。「オンとオフの顔があるとか、頭の良さや、人と巻き込む感じ、そして、人としての魅力がないとできないと感じていたので、そういった面を中村さんに背負っていただきました」
中村には企画段階でオファー。中村といろいろ話し合い、一緒に浅羽というキャラクターを作り上げたそうで、「ドラマには出ていない詳細な人物設定を話しました。メガネなど細かい小道具については相談しながら作り上げました」と明かした。メガネは中村のアイデアだという。
そして、本作で改めて中村の演技力を感じたという中井氏。「例えば、7話でコンビニカーにもたれかかり、樹木から『バイバイ』と言われた後の表情は、現場でも見ていましたが、いろんな感情を1枚の顔の表情に乗せるのがすごくお上手な方だなと。見ている人たちの想像力を掻き立てる余韻というか間というか、そういうものを計算されてやっているところはすごいなと。本当にお上手だなと思いました」と絶賛した。
コンビニチェーン「ココエブリィ」の店員・井上樹木(森七菜)と社長・浅羽拓実(中村倫也)、パティシエ・新谷誠(仲野太賀)、商品部スイーツ課・北川里保(石橋静河)の四角関係の行方が描かれてきた本作。第9話では、お試し期間として新谷とデートを重ねてきた樹木が、「私、クリスマスは…」と返事をしようと思った矢先、突然浅羽が現れ、「俺には君が必要だ」と思いを告げられた。運命のクリスマス、果たして彼らは誰と過ごすのか。
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